「YKK」。日本を代表するグローバルブランドの一つに数えられる。衣服やバッグ、ポシェットなどに使われ、開いたり閉じたりが自在に行える。YKK製のファスナーは世界シェアで40%を超えるトップシェアを持つ。国内外で抜群の知名度を誇る「YKK」ブランドだが、そのネーミングの由来は案外に知られていないかもしれない。
YKKは1934(昭和9)年、創業者の吉田忠雄が東京都内でファスナーの加工・販売に乗り出したことに始まる。当時の社名は「サンエス商会」。設立2年後には早くも北米や南米、インド、オーストラリアなどに輸出を手がけたという。
YKKの3文字が自社のファスナーの商標(ブランド)となったのは1946年。ホームページによると、戦後、「吉田工業株式会社」に社名を改めたのを機に、その英文社名(Yoshida Kogyo Kabushikikaisha)の頭文字をとって命名した。
実は、社名とブランド名を統一したのは意外と新しく、1994年のこと。この時、吉田工業からYKKに社名を改めた。
YKKで特筆されるのは戦後、いち早く海外進出を果たしたことだ。1959年のニュージーランドを手始めに、1960年代初めには米国、オランダに工場を開設。1964年の東京オリンピック以前といえば、海外渡航が制限されていた時代。生産拠点は現在、世界70以上の国・地域に広がる。歴史的にも日本有数のグローバル企業と言われる所以だ。
YKKは祖業のファスナーにとどまらず、今日、アルミサッシなど建材事業の大手として広く知られる。
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文:M&A Online編集部