2022年上期の国内ベンチャー投資、過去最高の1507億円|VEC調べ

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写真はイメージです(東京・渋谷)

ベンチャーエンタープライズセンター(VEC、東京都千代田区)がまとめた2022年上期(1~6月)のベンチャーキャピタル(VC)による国内向け投資額は前年同期比44.8%増の1507億円で、上期として2013年に現行方式で調査開始以来の最高となった。3割近く落ち込んだ「コロナ禍」初年の2020年上期と比べると、投資額はほぼ倍の水準にある。また、投資件数も878件と前年同期より38%(242件)増えた。

第2四半期、金額は21%増

VECは四半期ごとに国内のVC(事業会社のコーポレートベンチャーキャピタルを含む)による投資動向調査を実施している。今回の第2四半期(4~6月)調査には109社が回答した。

第2四半期の国内投資額は前年同期比21.3%増の708億6000万円。前期(第1四半期、1~3月)比では11.3%減だった。一方、投資件数は431件で、前年同期を78件上回ったが、前期比だと16件減った。

第2四半期の国内投資額を業種別にみると、「コンピューター及び関連機器、ITサービス」がシェア47.6%でトップ。これに「金融・不動産、法人向けサービス」が16.2%、「バイオ、製薬」9.0%、「工業、エネルギー、その他産業」8.8%、「メディア、娯楽、小売、消費財」7.7%などが続いた。

国内投資額のステージ(成長段階)別動向では「アーリー」がシェア43.1%(前年同期50.4%)でトップ。以下、「レイター」23.4%(同13.5%)、「エクスパンション」19.6%(同16.8%)、「シード」13.9%(同19.3%)。

一方、第2四半期の海外向け投資額は前年同期比77.7%増の358億4000万円と大きく伸びた。上期全体では526億5000万円で、前年同期を6割以上上回った。

第2四半期に新設されたファンドは9本・813億5000万円。上期全体では新規設立ファンドは19本・1095億6000万円。前年上期に比べると、本数は11本、金額は1032億8000万円それぞれ大幅に減少した。

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文:M&A Online編集部