M&A Online編集部が大量保有データベースで2021年11月の大量保有報告書などの提出状況を調べたところ、SBIホールディングスによるTOB(株式公開買い付け)が進行中の新生銀行に対し、旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)が新規に5.29%を保有したあと、2度買い増し保有割合を7.44%に高めたことが分かった。
新生銀行は9月17日に、SBIホールディングスによるTOBに対する買収防衛策の導入を決めたが、11月24日になって撤回しており、25日に予定していた臨時株主総会を中止した。
シティインデックスイレブンスが新生銀行株を保有したのは、買収防衛策の撤回前で、新規保有した理由を「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としている。
投資ファンドトのMETA Capital(東京都港区)が大株主となった澤田ホールディングスに関して、これまでの大株主だったワールド・キャピタル(東京都新宿区)と澤田秀雄氏がそろって売却し、保有割合をワールド・キャピタルは14.5%からゼロに、澤田秀雄氏は27.67%から12.17%に引き下げた。10月に31.09%を新規保有したMETA Capitalに動きはなかった。
ソフトバンクはネットマーケティングサービスを手がけるサイジニア株10.9%手放し、保有割合を19.89%に引き下げた。2021年6月から若築建設への投資を進めている麻生は11月も6カ月連続で買い増し(1.0%)し、保有割合を18.81%に高めた。
また投資会社のアジア開発キャピタルに対する買収防衛策の発動を中止すると発表した大手輪転機メーカーの東京機械製作所に関しては、三井住友トラスト・アセットマネジメントが1.0%買い増し、保有割合を6.03%に高めたほかには、動きは無かった。東京機械製作所はアジア開発キャピタルが、株式を買い増さないことを表明したため、買収防衛策の発動を中止した。
2021年11月の大量保有報告書の提出件数は1018件で、このうち保有割合を増やしたのが282件、新規保有が165件、保有割合を減らしたのが486件、契約の変更などが85件だった。
文:M&A Online編集部