「META」が澤田氏(HIS会長兼社長)を抜き澤田HDの筆頭株主に、2021年10月の大量保有報告書

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M&A Online編集部が大量保有データベースで2021年10月の大量保有報告書などの提出状況を調べたところ、投資ファンドのMETA Capital(東京都港区)が、澤田ホールディングス(HD)株の31.09%を新規保有したことが分かった。保有割合は澤田HD会長の澤田秀雄氏(HIS会長兼社長)の28.64%を上回り、筆頭株主に浮上した。

澤田氏は会長を退任

澤田HDは10月28日に、澤田秀雄氏が会長を、上原悦人氏が社長を退任し、日本旗艦キャピタル(東京都中央区)パートナーの原田泰成氏が社長に就任する人事を発表した。

澤田HDはエイチ・エス証券やハーン銀行(モンゴル)などを傘下に持つ企業で、「国内事業、海外事業のシナジーを最大限に発揮することが可能な体制を構築する」ことを交代の理由に挙げている。

META Capitalは2020年2月に、澤田HD株式の50%超を取得して子会社化することを目的にTOB株式公開買い付け)に踏み切ったが、TOBは343日に及び2021年7月に不成立となった。

澤田氏はTOBに応募することにしていたが、会社側はTOBに反対を表明していた。澤田HDは10月1日に、澤田氏が保有株式の一部を11月1日付でMETA Capitalに売却する契約を結んだと発表。さらに、10月28日に社名を2022年1月1日付で「HSホールディングス」に変更すると発表した。

麻生、若築建設株を5カ月連続で買い増し

イオンがTOBなどで子会社化する予定の100円ショップ大手のキャンドゥは、筆頭株主で社長の城戸一弥氏と、大株主の城戸恵子氏が、0.83%ずつ売却し、保有割合をそれぞれ41.39%と28.24%に引き下げた。

イオンはキャンドゥ株を最大37.18%買い付けたうえで、創業家の資産管理会社が保有する13.82%の株式を現金対価で取得し、持ち株比率を51%とする計画。

2021年6月から若築建設への投資を進めている麻生は10月も5カ月連続で買い増し(1.15%)し、保有割合を17.81%に高めた。

投資会社のアジア開発キャピタルに対する買収防衛策の発動を決めている大手輪転機メーカーの東京機械製作所に関する動きはなかった。

2021年10月の大量保有報告書の提出件数は1036件で、このうち保有割合を増やしたのが252件、新規保有が180件、保有割合を減らしたのが526件、契約の変更などが78件だった。

文:M&A Online編集部