M&A Online編集部が大量保有データベースで2022年7月の大量保有報告書などの提出状況を調べたところ、大豊建設に対し株主還元などを求めていた旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)が7月22日に、大豊建設株39.81%を手放し保有割合を3.55%に引き下げたことが分かった。
大豊建設については、セメント事業などを手がける麻生が「ホワイトナイト」(白馬の騎士)として救済に乗り出すことを表明しており、7月26日に「連結子会社とすることを目的とした保有(重要提案行為等を行うことを含む)」との理由で、32.94%の株式を新規に取得した。
大豊建設は2022年3月に麻生の傘下に入ることを表明しており、今回の売買で大豊建設とシティインデックスイレブンスの対立関係が解消することになる。
麻生はこのほかに、若築建設を2度買い増し(1.2%)、保有割合を24.15%に高めたほか、住石ホールディングスについても2度買い増し(8.81%)、保有割合を18.99%に高めた。
一方のシティインデックスイレブンスは、三共生興を4.8%売却し、保有割合を0.21%に引き下げたほか、セントラル硝子については1.02%買い増し、保有割合を27.44%とした。
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ヤフーは「政策投資としての保有」との理由で、事前通知などの送信サービスを手がけるファブリカコミュニケーションズの17.39%を新規に保有し、島津製作所も「完全子会社化を目的とした重要提案行為などを行うことを目的」として日水製薬の88.13%を新規に保有した。
ZOZO創業者の前澤友作氏は「純投資を基本とするが、必要に応じて企業価値向上のための助言または提案を行う可能性もある」として7.97%を保有している紳士・婦人衣料のユナイテッドアローズについて「重要な契約の変更」を届け出た。
2022年7月の大量保有報告書などの提出件数は895件で、このうち保有割合を増やしたのが236件、新規保有が136件、保有割合を減らしたのが454件、契約の変更などが69件だった。
文:M&A Online編集部