スタートアップによる技術やサービスのコンテスト「スタートアップワールドカップ2023」の東京予選が2023年9月8日、グランドハイアット東京(東京都港区)で開催され、咽頭内視鏡システム 「nodoca」を開発したアイリス(東京都千代田区)が優勝した。
同社は、京都予選(2023年7月に京都大学で実施)で優勝したAI(人工知能)を活用したスマートホーム技術を提供するHOMMA Group(東京都中央区)とともに、2023年11月30日から12月1日までの3日間、米サンフランシスコで開催される決勝大会に、日本代表として出場する。
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東京予選は、エントリーした257社の中から、書類選考で絞り込まれた10社が自慢の技術やサービスを競い合った。会場には大企業の担当者や投資家、登壇企業の関係者ら約3000人が訪れ、熱気に包まれた。
コンテスト開始前にスペシャルゲストとして激励に訪れた東京都の小池百合子知事は「時代のニーズをとらえて、斬新な製品やサービスを次々と生み出していく日本の技術や東京に集合している、さまざまなノウハウを活かし、日本のスタートアップがより花開くこと、東京のスタートアップの皆さんが成功されることを心から期待申し上げます」とあいさつ。
総合化学品メーカーであるデンカ<4061>の吉野信行常務執行役員も「今年1月にCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を立ち上げました。最新の技術、製品、ビジネスモデル、事業アイデアをお持ちのスタートアップ企業の皆様と連携を通して、我々も新しい事業に、新しいビジネスの創出に挑戦していきたいと思います」とエールを送った。
優勝したアイリスの沖山翔社長は「皆様からいただいた期待はシリコンバレーの決勝につながっていくものだと思っていますので、きちっと受け止めて戦っていきたいと思います」と決意を表した。
また、遊技機やゲームを手がけるセガサミーホールディングスと通販のジャパネットホールディングスがそれぞれ5000万円ずつを投資する特別賞には、インバウンド(訪日客)向け旅行プラットフォームを運営するWAmazing(東京都台東区、セガサミーグループ賞)と、女性向けキャリアスクールを運営するSHE(東京都港区、ジャパネットグループ賞)が選ばれた。
予選の前に、今回初めて実施された大企業とスタートアップとの面談会「スピードデーティング」には大企業15社、スタートアップ30社以上が参加し、コラボレーションや投資などについて意見交換が行われた。
スタートアップワールドカップは、米国のベンチャーキャピタルであるペガサス・テック・ベンチャーズ(シリコンバレー)が主催するもので、世界50以上の国と地域で実施される予選を通過した企業が、決勝大会でビジネスプランを披露し合い、優勝企業には100万ドル(約1億4000万円)の投資賞金が贈られる。
文:M&A Online