携帯電話会社の「スマホ決済サービス」利用者争奪戦が激化

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ドコモのポイント40倍キャンペーン(同社ホームページより)

携帯電話会社によるスマートホン決済サービス利用者の争奪戦が激化してきた。ドコモ<9437>は2019年3月1日から3月31日までスマートホン決済サービス「d払い」のポイントを通常の40倍にする「d払いでdポイント40倍還元!キャンペーン」を実施する。

通常の200円で1ポイントが、キャンペーン期間中は200円で40ポイントとなるため還元率は20%となり、ソフトバンク<9434>系のスマートホン決済サービス「PayPay」と同じ還元率となる。

PayPayは支払い額の20%を還元する「第2弾100億円キャンペーン」を2019年2月12日から2019 年5月31日まで実施しており、3月は両キャンペーンが激突することになる。

au、楽天のキャンペーンは

auを展開するKDDI<9433>も2019年4月からスマートホン決済サービス「au PAY」を始める。楽天<4755>と提携し、サービス開始と同時にスマートホン決済サービスの「楽天ペイ」などの決済環境の提供を受け、楽天グループが直接契約している全国約120万店の加盟店で「au PAY」が利用できるようにする。

KDDIはメルカリの子会社のメルペイ(東京都港区)と提携し、スマートホン決済サービスの「メルペイ」と「au PAY」両決済サービスを利用できる店舗を増やしていくという。

KDDIは4月のサービス開始時に展開するキャンペーンなどの詳細を明らかになっていないが、何らかのキャンペーンを打ち出す公算は高い。

「100億円あげちゃうキャンペーン」で先行したPayPayを、ドコモやauが新たなキャンペーンで追撃する構図が鮮明になってきた。

さらに2019年10月には楽天がドコモやソフトバンク、auと並ぶ携帯電話事業を始める。このサービス開始時にも「楽天ペイ」などを含むキャンペーンが見込まれる。

携帯電話会社を選択する際に、これまでの料金やサービスに加え、決済サービスの内容やキャンペーンなども大きな要因となりそうだ。

携帯電話会社の勢力図に異変が

NTTドコモの「d払いでdポイント40倍還元!キャンペーン」は、ドコモユーザーなら携帯料金と一緒に購入代金の支払ができるのが特徴。ドコモ以外の携帯電話会社を利用している場合はPayPayや楽天ペイと同じようにクレジット払いで利用できる。

還元の上限は5000ポイントで、ポイントは5月末までに付与され、7月31日を過ぎるとポイントは失効する。

PayPayの「第2弾100億円キャンペーン」は支払い金額の最大20%を還元するもので、還元の上限は5万円。さらに抽選で支払い金額の100%を還元する上限2万円の「やたら当たるくじ」も実施。期間中最大で7万円が還元される。

ドコモのスマートホン決済サービス「d払い」は2018年4月25日にスタート。ソフトバンク系の「PayPay」のサービス開始は2018年10月5日。KDDIの「au PAY」は2019年4月からサービスを始める。さらに2019年10月には楽天も携帯電話事業に参入する。

後発のKDDIがどのようなキャンペーンを展開するのか。スマートホン決済サービスでは先行しているものの携帯電話会社としては後発の楽天もどのようなキャンペーンを打ち出すのか。

2019年はスマートホン決済サービスを軸に携帯電話会社の勢力図に異変が起きるかも知れない。

文:M&A Online編集部