ラーメン店の「一風堂」と「幸楽苑」コロナ禍後を見据え新たな一手

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東京・丸の内の店舗

ラーメン店「一風堂」を運営する力の源ホールディングス<3561>と、「幸楽苑」を運営する幸楽苑ホールディングス<7554>が、コロナ禍後を見据え新たな一手を打った。

「一風堂」はBeer the First(横浜市)と共同で、麺の端材を原料としたアップサイクル(廃棄予定の品物から新しい製品を生み出す手法)ビール「KAEDAMA ALE」(カエダマエール)を開発。幸楽苑は通信販売事業から撤退するとともに、組織変更を行い、店舗運営力の強化に乗り出す。

経済活動や日常生活がコロナ禍前に戻るにつれて、SDGs(持続可能な開発目標)の推進や事業の収益力向上などが急務と判断した。両社はともに業績が上向いており、こうした取り組みでさらなる上振れが期待できそうだ。

おみやげラーメンの端材が原料

一風堂とBeer the Firstが共同開発したKAEDAMA ALEは、一風堂のおみやげラーメンの麺を作る際に発生する端材を原料に製造した。

味わいにこだわり一風堂のとんこつラーメンやチャーシューと相性のよいビールに仕上げており、とんこつスープの味わいに負けないしっかりしたボディー感とキレがあり、柑橘の香りの爽やかな後味もあるという。

博多駅店、銀座店、イクスピアリ店、成田空港店の4店舗のほかオンラインストアでも販売する。

一風堂では「ただの再利用にはない 、新たな価値を生み出すことを可能とするアップサイクルは、見逃してはならない取り組み」としたうえで、こうした取り組みで、SDGsに含まれる「つかう責任、つくる責任」を果たしていくとしている。

力の源ホールディングスの2023年4-7月の国内既存店の売上高は前年同期比120.0%と好調に推移しており、2024年3月期は8.6%の増収、11.4%の営業増益を見込んでいる。

本業の運営に注力

幸楽苑は2023年8月末に通販店の楽天市場店、Yahoo!ショッピング店を閉店し、9月末にAmazon店を閉店する。これに伴って11月に通販事業部を廃止する。通販事業が不採算だったためで、撤退することで収益力を高める。

同社ではこのほかにも、持続的な企業価値向上を目的に「店舗サポート部」を「店舗運営部」に改称し、直営店舗の運営力を高めるほか「ニュービジネス推進部」を廃止し、本業の運営に注力する。

幸楽苑ホールディングスは2021年3月期から2023年3月期まで3期連続の営業赤字に陥っていた。直近の直営既存店の売上高をみると、2023年4-7月は前年同期比103.7%と堅調に推移しており、2024年3月期は4期ぶりに営業黒字に転換する見込みだ。

幸楽苑ホールディングスの業績推移
2024/3は予想

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文:M&A Online