「非情の値上げ!」米アップルが6月6日(現地時間)に発表した、自社製CPU「M2」を搭載する最新ノートパソコン「MacBook」シリーズの価格に日本中が驚いた。最も安価な「MacBook Air」が16万4800円(税込、以下同)からと、従来モデルの「M1」搭載Airより6万円も値上げされたからだ。一方、本国の米国価格は従来モデルの1299ドルから1199ドルに値下げされており、円安による値上げなのは間違いない。そうなると気になるのはユーザーが多いスマートフォンの「iPhone」シリーズの値上げだ。
米国価格と日本価格から見た「アップル為替レート」は「Air」で1ドル=137円45銭、「M2」搭載の新型「MacBook Pro」13インチモデルで同137円64銭だ。これは7日の実勢レートよりも5円ほど円安の水準。アップルは当面、このレベルの円安を織り込んでいるわけだ。
9月に発表される「iPhone14」シリーズが現行の「iPhone13」シリーズと同価格でこのレートが適用された場合、「iPhone14 Pro」は現行機種よりも1万4707円高い13万7507円に値上がりする。「iPhone14」は1万1021円高い10万9821円と、10万円の大台を超える。ついに「iPhone」シリーズも、最廉価版の「iPhone SE」を除いて10万円台の商品になりそうだ。
日本予想価格(円) | 米国予想価格(ドル) | アップルレート | 13シリーズ日本価格 | 差額(円) | |
---|---|---|---|---|---|
iPhone 14 Pro | 137,507 | 999 | 137.64 | 122,800 | 14,707 |
iPhone14 | 109,821 | 799 | 137.45 | 98,800 | 11,021 |
しかし、この程度の値上げでは済まないかもしれない。米国では「MacBook」を値下げしているが、「iPhone14」シリーズはカメラの解像度が上がったり、画面のノッチ(切り込み)を縮小するなどの全面改良が予定されており、米国価格も値上がりするとの予想がもっぱら。
仮に米国で10%値上がりして「14 Pro」の米国価格が1099ドルになれば、日本価格は15万1257円と15万円の大台を超え、「14」は879ドルで12万803円に跳ね上がる。
それだけで済めばよい方だ。円安がさらに加速すれば、アップル為替レートもさらに上がる。仮に実勢レートで同140円まで円安が進めば、アップル為替レートは同145円に設定されるだろう。
10%値上げと重なれば、「14 Pro」は15万9355円と16万円に迫り、「14」では12万7455円と現行の「13 Pro」の日本価格を上回る。アップルユーザーにとっては毎年楽しみな新型「iPhone」の発表だが、今年は円安と価格に気をもむことになりそうだ。
文:M&A Online編集部
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