M&Aが学べる大学院はここだ!

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はんぱむ

「M&Aが学べる大学」に続き、M&Aが学べる「M&Aが学べる大学院」をお届けします。

1.「M&Aアドバイザーが教える」京大大学院 松本 茂特命教授

これまで、M&Aアドバイザーとして、20カ国、50を超える海外企業の買収に携わってきた松本茂特命教授。この3月までは同志社大学大学院ビジネス研究科に所属していましたが、今年度(2018年4月)から京都大学経営管理大学院で教鞭を執る予定です。

松本特命教授はM&Aに関して、「経営判断を下す最後のタイミングで問われるのは、企業の大きさではなく、個々の経営者・マネジャーが持ち合わせている素養と経験の多寡だ」と言います。

同志社大学大学院では「M&A戦略」、京都大学経営管理大学院では 海外M&Aに欠かせない「Business Analysis and valuation」を担当。財務分析、企業買収、コーポレート・ファイナンス、プロジェクト・ファインナンスを専門分野とし、2017年4月から、日本学術振興会より科学研究費助成を得て「海外M&Aの成否に関する定量的、定性的研究」を行っています。

「ビジネススクールは、将来、経営者として活躍することを思い描き、自ら素養を高め、ケーススタディを通じて机上で経験を積む場。私の講義では、会社の現場から離れた皆さんが『個』として自ら研鑽できるよう工夫しています」とのこと。

「私も企業経営をアカデミックなアプローチで掘り下げる面白さに出会い、仕事の傍ら企業買収の成否を研究し、博士を修めました。刻々と進化するグローバルビジネスを探究する楽しさに気づいてもらうことも自分の役割」と語っています。

松本 茂 特命教授(京都大学 経営管理大学院)

神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了(経営学博士)。 サンダーバード国際経営大学院MBA(米国政府フルブライトプログラム)。大阪府企業局に勤務後、プラスウォーターハウスクーパース、デレクター、HSBC(The Hong Kong Shanghai Banking Corporation)投資銀行本部長、SCS Global取締役などを経て現職。これまでM&Aアドバイザリー業務に15年携わる。2015年、著書『海外企業買収 失敗の本質 戦略的アプローチ』(東洋経済新報社)で第9回M&Aフォーラム正賞を受賞。

2.「人気の実務家から学ぶ」一橋大大学院 佐山 展生教授

M&A、企業価値評価、経営、IPO、倒産を研究分野とする佐山展生教授。帝人ではポリエステルの重合関連業務に従事した後、三井銀行(現三井住友銀行)でM&A関連業務に従事し、米州部投資銀行グループM&A総括、企業情報部部長を歴任。

その後、ユニゾン・キャピタル共同設立代表取締役パートナー、M&AアドバイザリーファームであるGCA共同設立代表取締役をはじめ、インテグラル共同設立代表取締役(現任)、また、インテグラルの投資先のひとつのスカイマーク代表取締役会長(現任)を歴任しています。

M&Aに関して数多くの学会発表を行い、セミナー・講演で人気の、まさにM&Aのプロであり、実務家。大学院では、東京工業大、東洋大などでも教えていたそうです。

「初心者からプロを対象に、M&Aの進め方、企業評価の手法を考察、模擬価格交渉等も通じて、M&Aとは何か、どうあるべきかを探求する。また、ゲスト経営者もお招きし、理想の会社、理想の経営者像につき考察したい」としています。

佐山教授の授業を含め様々な角度からM&A、ファイナンス、データサイエンスを学べる一橋大学大学院「金融戦略・経営財務コース」は平日夜間を中心に授業が行われるため、働きながら専門性を深めることができるビジネススクールとして千代田区一ツ橋にキャンパスを構え、16年間卒業生を輩出し続けています。

今年度(2018年4月)から名称が経営管理研究科「金融戦略・経営財務プログラム」 に変更になりますが、今まで通り講義は行われます

佐山 展生教授(一橋大学大学院 経営管理研究科)

京都大学工学部高分子化学科卒業。ニューヨーク大学大学院ビジネススクール(STERN)卒業(MBA修得、ファイナンス専攻)。東京工業大学大学院社会理工学研究科博士後期課程卒業 学術博士(経営工学専攻)。三井銀行(現三井住友銀行)のM&A関連業務、米州部投資銀行グループM&A総括などを経て、ユニゾン・キャピタル共同設立代表取締役パートナー、GCA共同設立代表取締役を歴任。現在、インテグラル代表取締役、スカイマーク代表取締役会長、一橋大学国際企業戦略研究科教授(現任)、京都大学経営管理大学院客員教授(現任)。
http://www.fs.hub.hit-u.ac.jp/staff-research/faculty/sayama/

3.「敵対的買収を学ぶなら」法政大大学院 胥鵬(しょほう)教授

「世の中で現実に起きている新しい物事を分析し、その原因と意味を常に追い続けたい、知りたいという興味がすべての出発点」と語る胥鵬(しょほう)教授。

筑波大学では経営工学を専攻し、学部ではミクロ経済学やマクロ経済学、ファイナンスなどの分野に興味が出き、大学院に進学すると、「今度は日本企業の役員賞与に興味が出て、コーポレートガバナンス(企業統治)の研究を始めた」といいます。

現在は、コーポレートガバナンス、特に「株式の持ち合い」に強い興味があるとのこと。敵対的買収では、「敵対的買収のターゲットとなった企業同士で株式を持ち合うなど、新しい持ち合いのスタイルが増えてきた」ことに興味を持っています。

胥鵬 教授(法政大学大学院 経済学部)
中国・揚州生まれ。筑波大学社会工学類卒業。東京大学経済学部研究科第二種五年一貫博士課程修了(経済学博士)。法政大学経済学部専任助手、助教授、法政大学在外研究員を経て、2001年より現職。 
http://www.hosei.ac.jp/koho/pickup/professor/2009/091120.html

4.「企業価値を学ぶなら」早稲田大大学院 鈴木 一功教授

M&Aアドバイザーや会計士の間でも評価が高い『企業価値評価(実践編)』(ダイヤモンド社)。著者である鈴木一功教授が教えるのが、早稲田大学大学院 経営管理研究科です。

一昨年4月に日本橋のファイナンス研究科が再編してスタートした、新「早稲田ビジネススクール」の夜間主プロ・ファイナンス専修コースが、先生の所属するプログラムで、企業価値評価はもちろんのこと、コーポレート・ファイナンス、企業買収、ベンチャー投資など、実務面、理論面の豊富な授業が用意されています。

専門分野はコーポレート・ファイナンス。講義科目は、ファイナンス、 コーポレート・ファイナンス理論と企業価値評価、コーポレート・ファイナンス実証分析演習を担当、加えて昼間開講の英語コース MSc in Financeで、Corporate Financeの講義を担当しています。

鈴木一功 教授(早稲田大学大学院 経営管理研究科)
東京大学法学部卒業。富士銀行(現みずほ銀行)に入社し、主にM&A部門のチーフアナリストとして、企業価値評価モデル開発等を担当。INSEAD(欧州経営大学院)よりMBA取得。その後、ロンドン大学(London Business School)よりPh.D.(Finance)を取得。中央大学国際会計研究科教授等を経て、2012年より現職。「証券アナリストジャーナル」編集委員、みずほ銀行コーポレートアドバイザリー部の企業価値評価外部アドバイザーも務める。
著書に『検証 日本の敵対的買収』(共著・日本経済新聞出版社)、『MBAゲーム理論』(ダイヤモンド社)など。
https://www.waseda.jp/fcom/wbs/other/2352

5.「会社法のスペシャリスト」東大大学院 田中亘教授

比較現代法部門、産業関係法分野の教授として商法、会社法、法と経済学を専門分野とする田中亘教授。『会社法』(東京大学出版会)、『企業買収と防衛策』(商事法務)、『日本の公開買付け ―制度と実証』(森・濱田松本法律事務所と共著編、有斐閣)など多数の編著書を持ち、学術論文を発表してきた「会社法」のスペシャリストです。

今後の研究テーマとしては、「取締役の義務と責任(Duty and liability of corporate directors)、企業買収法制の研究(Mergers & associations)、法の経済分析(Economic analysis of law)を挙げています。「法の経済分析」では特に、商法・会社法の分野におけるファイナンス理論・契約の経済学を応用した研究に関心を寄せています。

2017年度は、東京大学大学院 法学政治学研究科 法曹養成専攻で「演習(商法)・数理法務概論」、東京大学大学院 法学政治学研究科 総合法政専攻・法曹養成専攻では「講義・法と経済学」の講義を担当していました。

田中亘 教授(東京大学大学院 法学政治学研究科)※所属は東京大学社会科学研究所
東京大学社会科学研究所准教授、シカゴ大学ロースクール客員准教授を経て、東京大学社会科学研究所教授。『会社法』(東京大学出版会)は、まさにすべての会社法を学ぶ人にとってのバイブル的存在。 http://jww.iss.u-tokyo.ac.jp/mystaff/twataru.html

まとめ:M&A Online編集部