アップルウォッチ新モデル「Ultra」は買い?それとも待ち?

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「アップルウォッチのGショック版」と言えそうな、ヘビーデューティーモデルが誕生した。米アップルは9月23日に、新たなカテゴリーとなる「Apple Watch Ultra(アップルウォッチ ウルトラ)」を発売する。アップルウォッチは、本流モデルの「8」と低価格モデルの新型「SE」を含めて3本立てとなる。従来の2モデルからコンセプトを一新した「Ultra」だが、果たして「買い」か、それとも「待ち」なのか?

アップルウォッチ史上、最もタフなモデルが登場

「Ultra」の特徴は、なんといっても無骨なデザインと堅牢(けんろう)な構造だろう。本体には宇宙ロケットなどに使用される、軽量で頑丈なチタニウムを採用。耐候性ではマイナス20℃から55℃で使用でき、耐水深度も「8」や「SE」の2倍の100m。水温センサーと水深計も備えている。

バッテリー駆動時間は低電力モードに加え、GPSや心拍数の測定頻度を減らす設定にすれば最大60時間まで延ばすことが可能だ。明るい場所での視認性を上げるため、ディスプレーの輝度を「8」や「SE」の2倍に引き上げている。

それだけの機能を詰め込んだだけに「Ultra」の重量は61.3 gと、「8」(31.9 51.5 g)や「SE」(26.433.0g)よりも重い。機械式ダイバーウォッチのロレックス「サブマリナー」の約150gに較べれば半分以下だが、アップルウォッチとしては重いことに留意しておく必要があるだろう。とりわけ陸上スポーツで利用する場合には、重さが気になるかもしれない。

それにも増して購入を躊躇(ちゅうちょ)する要因は価格だ。iPhoneが近くになくてもウォッチ単独で携帯回線での通信や通話が可能なセルラーモデルのみの展開で12万4800円(税込、以下同)と、いずれも単独での通話機能を持たないGPSモデルで「8」の5万9800円(セルラーモデル7万4800円)からや「SE」の3万7800円(同4万5800円)からに比べると高額なモデルといえる。

アップル製品の第1世代は「プロトタイプ」

何よりアップル製品で留意すべきなのは、第1世代は「プロトタイプ(試作品)」に近いことだ。2015年に発売された初代アップルウォッチは米調査会社IDCが2015年に出荷台数で1300万台に達すると予想したものの、米調査会社Jupiter Researchによると実際の出荷台数は約880万台だったとしている。

2016年に発売した「アップルウォッチ 2」では水深50メートルまでの耐水性能を備えて海水浴を含む水泳の記録も残せるようになったほか、非接触型ICカードの技術方式FeliCaを搭載してSuicaやiDといった電子マネーも使えるように。「2」は現在のアップルウォッチシリーズを大ヒットに結びつける商品となった。

2010年に発売されたタブレット端末の初代「iPad」は画素数が1024×768ピクセル、解像度が132ppi、26万色表示だったが、2011年に発売された「iPad 2」では2048×1536ピクセル、264ppi、1677万色表示と飛躍的に向上。重量もWi-Fiモデルで680gから601gと79g、Wi-Fi+3Gモデルでは730gから613gと実に127gも軽くなった。

それに加えて「2」では3軸ジャイロや直線加速度、環境光といったセンサーを追加したほか、前面と背面に動画にも対応したカメラを搭載するなど、著しい機能アップを果たした。

「Ultra」も、来年以降に発売される新モデルで大きな進化があるはずだ。軽量化に加えて安価なGPSモデルの追加や「iPhone14 Pro」シリーズに搭載された衛星通信用モデム、カメラなども採用されるかもしれない。第1世代の「Ultra」については次世代機の「待ち」を推奨したい。

文:M&A Online編集部

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