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【会計・新基準】収益認識とプライシング

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※画像はイメージです

ビズサプリの三木です。以前のメルマガで新しい収益基準のことを取り上げました。新しい基準のポイントの一つに「価格」があります。
今回は、この新基準における価格の扱いと、商品やサービスの値決めについて取り上げます。

1.値段は案外わからない

物やサービスの値段というのは、案外分からないものです。
電気量販店で家電を買ったらポイントがつきました。ポイント込みの金額が家電の価格でしょうか。それともポイントは控除すべきでしょうか。
出張でホテルに泊まったら、「無料朝食券」がついていました。朝食は無料でしょうか、それとも宿泊代とセットでしょうか。
スーツを2着買ったところ、1着無料券をもらいました。もし無料券を使って3着目を買ったら、売り手にとって売上ゼロでしょうか。
タバコやお酒の価格には酒税やたばこ税が含まれています。税抜価格がタバコやお酒の値段でしょうか。それとも税込でしょうか。

物やサービスを売りたい側は、お得感を演出したり、顧客を囲い込んだりするために、あの手この手の販売戦略を取ります。この販売戦略が複雑になると、物やサービスの値段が本当はいくらなのかどうしても分かり難くなります。大企業であればその辺はしっかり管理しているかと思いきや、ポイント制度、セット販売、事後キャッシュバック、ボリュームディスカウント、各種キャンペーンなどを組み合わせて実施しているうちに、実際のところいくらで売れていて、利益があるのかどうかよく分からない・・・・なんていうこともあります。

会計的には、どこまでが売上のマイナスで、どこからが販売促進費(販管費の一部)なのかという問題が出てきます。値引を販売促進費にすれば大幅値引で売っても売上総利益が上がりますが、それで喜んでいると営業利益はマイナス、なんてことになりかねません。何をどういう費目で処理していて、それを販売管理上どう扱っているのかが肝心と言えます。

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