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大阪で挫折した「都構想」、一方で東京にも「都解体」の動きが…

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財政上の裁量権が特別区最大の不満

これを不服として東京23区で特別区を廃止する「市構想」の動きが起こった。ただ、かつての「東京市」ではなく、23区がそれぞれ独立した市となる構想だ。「日本の中枢」といわれる千代田区は、2001年10月に発表した「第3次長期総合計画」で「平成30(2018)年に千代田市として独立する」市構想を発表した。

千代田区が市ならば約2600億円(当時)あるはずの固定資産税などの税収が、都から分配されるのは1%にも満たない22億円にすぎないとの不満からだ。当時は千代田区の人口が市の要件となる5万人に満たなかったことや、最も豊かな財源を持つ千代田区が抜けることで財政不安が生じかねないとして東京都や残る22区が反対したことも棚上げとなった。

大企業の本社が集中する千代田区の税収は莫大だが、都からの配分はわずか(同区ホームページより)

だが、千代田区の人口が6万6000人と市の要件を満たしたことから、現在も区内では「千代田市構想」がくすぶっている。市制の区割りや財源問題などで意見が割れる特別区長会でも「戦時体制として作られ帝都体制の骨格を引きずってきた都区制度は、もはや時代遅れというほかはない。『都の区』の制度から離脱することが必要である」と、特別区の解体と市制への移行では一致している。

「特別区は面積が狭く、人口が集中する大都市の特殊性を考慮し、全住民が等しく行政サービスを受けられるようできた制度。一区だけ独立して市を目指すことは現実的でない」というのが、東京都のスタンスだ。

人口が約94万人の世田谷区も、政令指定都市への移行をほのめかしている。政令指定都市になれる人口を擁しながら、同じ東京都内で人口が180人にも満たない青ヶ島村よりも行政権限が小さいことに不満を感じるのも無理からぬところだ。

東京都としては事実上の直轄地である23区が市として独立することは、都人口の約7割に当たる約970万人の住民が「流出」することにほかならない。「大阪都構想」が住民投票で否決され、「特別区」への移行に「ノー」が突きつけられたことで、くすぶってきた都内23特別区の「市制移行」の動きに神経をとがらすことになりそうだ。

文:M&A Online編集部

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