まもなく登場の「iPhone14」、発売直後の品切れはナシ?

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「iPhone14シリーズ」のセールスは落ち着いたスタートになりそう(Photo By Reuters)

今年も新型「iPhone」の発表が近づいてきた。米国時間の9月7日午前10時(日本時間の8日午前2時)に開くアップルイベントで新型「iPhone14シリーズ」がお披露目される。ネット上ではさまざまなスペック予想が飛び交っている。果たして「14シリーズ」では、恒例となっている発売直後の「争奪戦」が起こるのだろうか。

フルモデルチェンジで進化が著しい「14」

現行モデルの「13シリーズ」は前モデル「12シリーズ」のマイナーチェンジ版だったが、「14シリーズ」はフルモデルチェンジ版になる。ボディはこれまでのステンレスやアルミニウムから、より軽量で剛性が高いチタン合金が初採用される可能性がある。

最も大きい変更点はカメラ機能だろう。2015年に発売した「6S」以来、リアカメラは7年間にわたって1200万画素のままだったが、「14シリーズ」では上位機種の「Pro」で4800万画素に向上するとの予想が出ている。

コロナ禍でのリモート会議で使用頻度が増えたフロントカメラも、従来の固定焦点からオートフォーカスに改善され、画質の向上が期待できそうだ。

可能性は高くないが、圏外でも文字通信ができる衛星通信機能を備えるとの情報もある。まさに「てんこ盛り」の新モデルだけに、発売直後に受注が殺到してなかなか手に入らないという懸念が。しかも、半導体不足で「14シリーズ」の生産が需要に追いつかないかもしれない。

発売直後の品薄は回避されそう

だが、今回は意外と簡単に手に入りそうだ。理由は価格。「13シリーズ」と同じ価格帯という見方がある一方で、大幅な機能向上と半導体などの部品価格高騰により15%ほど値上げされるとの予想もある。

現在「13」(128GBモデル)の米国価格は799ドルで、「14」が15%値上げされると920ドル。「13」の日本価格は11万7800円なので、1ドル=147円43銭(ただし、日本価格は消費税込み)となる。この為替レートのままならば「14」は13万5600円の見込み。

「14シリーズ」には安価な「mini」が設定されないとの予想もあり、これが事実ならば最安モデルでも13万円を超えることになる。

最上位の「13 Pro Max」(同)の米国価格は1099ドルなので、「14 Pro Max」が15%値上げされると1260ドル。同じ為替レートでは18万6000円と20万円の大台に近づく。日本でも食料品はじめ日常購入する商品の値上げも始まっており、消費者の財布のヒモも締まっている。

人気の「iPhone」ではあるが、アップルが極端に供給量を減らさない限り「発売初日から飛ぶように売れる」状況は考えにくい。「年末のボーナスが入ったら考えよう」と、様子見する消費者も増えそうだ。じっくり構えて実機を店頭で確かめてから購入しても、決して遅くはないだろう。

文:M&A Online編集部

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