コロナ禍を乗り越えたアパレルの雄たち「ユニクロ」「しまむら」が続伸

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埼玉県内のしまむらの店舗

コロナ禍で大きな影響を受けたアパレル業界で、「ユニクロ」「しまむら」の上位2社が順調に業績を伸ばしている。

しまむら<8227>が2023年4月3日に発表した2023年2月期決算では3期連続の増収増益を達成、2024年2月期の業績予想でも連続の増収増益が4期に伸びる見込みだ。

ユニクロを展開するファーストリテイリング<9983>も2023年8月期に3期連続の増収増益を予想する。

円安による原材料価格の上昇やウクライナ情勢に伴う輸送費の高騰などのマイナス要因と、平常化が進み外出の自粛や時短営業などがなくなったプラス要因の綱引きでは、どうやら平常化の方に分がありそうだ。

中期経営計画を上方修正

しまむらの2023年2月期は5.6%の増収、7.9%の営業増益となった。主力のしまむら事業が、ブランド力強化策の一環として展開してきた自社開発ブランドとサプライヤーとの共同開発ブランドがともに好調に推移したほか、機能性を強化した高価格帯の商品やキャラクター商品なども売り上げアップに貢献した。

しまむら事業以外のインテリアや雑貨、新生児やジュニア向け商品、台湾での衣料品販売事業などすべての分野で増収となった。

同社ではこした状況を踏まえ、2024年2月期を最終年とする中期経営計画を上方修正し、国内の売上高をそれまでの5950億円から330億円多い6280億円に引き上げた。営業利益もそれまで493億円としていたのを545億円に52億円上積みした。

この結果、海外を含めた2024年2月期の売上高は3.1%増の6350億8800万円、営業利益は2.4%増の545億7100万円を見込む。

【しまむらの業績推移】2024年2月期は予想

コロナ禍からの脱却が鮮明に

ファーストリテイリングは2023年8月期に15.2%の増収、17.7%の営業増益を見込む。営業利益は2020年8月期に減益になって以来、3期連続で2ケタの大幅増益となる。

同社では国内のユニクロ事業が「原価率は悪化傾向にあるものの、値引率を改善し、売上総利益率は若干の低下に留める」とし増収増益を見込むほか、海外ユニクロ事業とジーユー事業で大幅な増収増益を予想するなど、強気な姿勢を見せる。

2023年8月期第1四半期が終わった時点でこの数字の修正は行っておらず、計画に向かって順調に推移していることがうかがわれる。アパレル大手2社の健闘はコロナ禍からの脱却を印象付ける効果が高そうだ。

【ユニクロの業績推移】2023年8月期は予想

文:M&A Online