「皆さんのおかげで平昌オリンピックで二つの金メダルを獲得することがでました」。スピードスケートの高木菜那選手(日本電産サンキョー<7757>所属)が2018年4月1日、京都学園大学の京都亀岡キャンパス(京都府亀岡市)で行われた同大学の入学式で壇上に立った。
新入生には高木選手の出席は知らされておらず、二つの金メダルを獲得した高木選手の突然の登場に会場ではどよめきが起こり、慌てて携帯電話で写真を撮りだす光景があちらこちらで見られた。
この日、高木選手は日本電産<6594>の会長兼社長で、京都学園の理事長である永守重信氏とともに、終始神妙な面持ちで入学式に臨んだ。高木選手が日本電産のグループ会社である日本電産サンキョーの社員であることから実現した。
高木選手は「自分の夢や目標に向かって進んでいくことはそんな簡単なことではありません。、後悔してしまったり、立ち止まったりすることもよくあります。私も小さい時から妹と比べられ、負けている自分を受け入れらず、壁を超えるまでつらいことがありました。
そんな時に私の道しるべとなったのが、いままで出会った方の存在でした。夢や目標に向かって努力していれば、結果が出なくても自分のことを認めて応援をしてくれる人が絶対にいます。
今回の平昌オリンピックでは、誰かに何かを伝えるのが一つの目標でした。見てくれている人に感動だったり、勇気だったり、私の笑顔だったり、明日頑張ろうと思えるなど、人それぞれに何かが伝わればいいなとずっと思っていました。
どんな仕事でもそうだと思うのですけれど、自分のために何かを成し遂げるというより、誰かのために働きたい、この会社のために自分の全力を注ぎたい、今まで支えてきてくれた人たちのために頑張っていきたいという心があれば、どんなことがあってもくじけずに立ち上がれると思います。
これからの大学の4年間を通して、誰かのために頑張れる人になってもらいたいなと心から思っています。この大学での4年間がかけがえのないものとなりますように心から願っています。夢に向かって今日から走り出していきましょう」と新入生に激励の言葉を贈った。
式典終了後の記者会見では永守会長兼社長が「将来、京都学園大学に健康スポーツ学部を作ってそこの教授になったらいい。金メダルを二つも持っているのだから教授になる資格はある」と水を向けられた時は、さすがににっこりとし、一瞬緊張が和らいだ様子だった。
文:M&A Online編集部