【大量保有】売り姿勢に転換 2019年4月

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東京証券取引所

2019年4月の大量保有報告書の提出件数は1410件だった。このうち株式の保有割合を増やしたのが387件(構成比27.4%)、新規保有が246件(同17.4%)、保有割合を減らしたのが646件(同45.8%)、契約の変更などが131件(9.3%)となり、保有割合を減らした件数が、保有割合を増やした件数と新規保有の件数の合計を13件上回った。 

前年同月(2018年4月)は保有割合を減らした件数(694件)が、保有割合を増やした件数と新規保有の件数の合計(693件)を上回ったのは1件だったため、2019年4月は保有割合を減らした件数が大きく増えた。

前月(2019年3月)は保有割合を増やした件数と新規保有の件数の合計(545件)が、保有割合を減らした件数(464件)を81件上回っており、2019年4月は一転して売り姿勢が強まった。 

年月

増加

新規

減少

増減差

2019年4月

387件

246件

646件

-13件

前年同月

475件

218件

694件

-1件

前月

328件

217件

464件

81件

(増加は株式の保有割合を増やした件数、新規は新たに株式を保有した件数、減少は株式の保有割合を減らした件数。増減差は増加と新規の合計から減少を引いた件数)

英オデイがレオパレス21を買い増し

M&A onlineが提供している「大量保有データベース」で集計した。その結果、4月に大量保有報告書の提出件数が最も多かったのは野村證券の102件だった。保有割合を増やした件数と新規保有の件数の合計は55件で、保有割合を減らした件数46件を9件上回った。契約の変更などは1件あった。102件中、最も提出件数の多かったのが住宅ローン専門金融機関アルヒの6件で、このうちの5件が買い増しで保有割合は12.94%になった。

提出件数が2番目に多かったのが三井住友銀行の89件で、3番目は三菱UFJフィナンシャル・グループの73件だった。

個別の銘柄として提出件数が最も多かったのが愛光電気の23件。提出者はすべて河村幸俊氏で、1997年に新規保有して以来の取引をまとめて4月に提出したため件数が膨らんだ。次いでBEENOSの13件、太陽誘電、窪田製薬ホールディングス、アルヒのそれぞれ10件だった。

施工不良問題が経営を直撃しているレオパレス21については、モルガン・スタンレー・アンド・カンパニー・インターナショナル・ピーエルシーが新規に保有し保有比率を7%としたほか、英国の投資ファンド・オデイ・アセット・マネジメントが2.82%買い増し保有割合を9.97%に高めた。

オデイ・アセット・マネジメントは2019年3月1日にレオパレス21株を1.1%買い増し保有割合を12.1%にまで高めたあと、3月28日、29日に連続で2%を超える株式を手放し、保有割合を7.15%まで引き下げていた。

文:M&A online編集部