ファンドが「東京機械製作所」の支配権取得に向け買い増し、2021年8月の大量保有報告書

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アジアインベストメントが東京機械製作所をさらに4度買い増し

M&A Online編集部が大量保有データベースで2021年8月の大量保有報告書の提出状況を調べたところ、2021年7月に輪転印刷機械専業メーカーの東京機械製作所<6335>の株式の32.72%を取得したアジアインベストメントファンド(東京都中央区)が、さらに4度買い増し保有割合を38.64%にまで高めたことが分かった。

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保有目的はこれまでと同様で「支配権の取得。ただし、現時点で、発行者に取締役候補者を派遣することは予定していない」としている。

この動きに対し東京機械製作所は8月24日に、さらなる買い付けを差し控えるように書面で求めたほか、8月30日には新株予約権を株主に無償で割り当てることを決めるとともに、株主の意思を確認するため、2021年10月下旬に臨時株主総会を開き、対抗措置の発動を提案すると発表した。

アジアインベストメントファンドは、香港を拠点とする金融企業のサンフンカイ・フィナンシャルグループの傘下企業であるアジア開発キャピタル(東京都中央区)の投資部門を担当する企業で、保有割合を38.64%にまで高めた8月23日以降は大量保有報告書を提出していない。

麻生が若築建設をさらに3度買い増し

医療関連事業などを手がける麻生は、6月に新規保有し7月に保有割合を8.76%に高めていた若築建設<1888>の株式をさらに3度買い増し、保有割合を12.04%とした。麻生は安定株主として長期間、若築建設株を保有するとしている。若築建設株については、三井住友DSアセットマネジメントが1.27%手放し、保有割合を3.75%に下げた。

CEホールディングスが駅探の全保有株式を売却

このほか経路検索サービスを運営する駅探<3646>株について、電子カルテシステムを手がけるCEホールディングスが、保有する全株式(保有割合24.68%)を売却した一方、東京の投資会社Bold Investmentが新たに24.93%を保有した。

2021年8月の大量保有報告書の提出件数は775件で、このうち保有割合を増やしたのが215件、新規保有が122件、保有割合を減らしたのが378件、契約の変更などが60件だった。

文:M&A Online編集部