ファンドが「東京機械製作所」の支配権取得へ 2021年7月の大量保有報告書

alt
写真はイメージです

アジアインベストメント、輪転印刷機械専業メーカーの東京機械製作所を新規取得

M&A Online編集部が大量保有データベースで2021年7月の大量保有報告書の提出状況を調べたところ、アジアインベストメントファンド(東京都中央区)が、輪転印刷機械専業メーカーの東京機械製作所<6335>の株式の8.08%を新規保有したあと、5度買い増し保有割合を32.72%に高めたことが分かった。

アジアインベストメントが提出した東京機械製作所の大量保有報告書一覧はこちら

アジアインベストメントファンドは、香港を拠点とする金融企業のサンフンカイ・フィナンシャルグループの傘下企業であるアジア開発キャピタル(東京都中央区)の投資部門を担当する企業で、日本企業のビジネスチャンスの拡大に取り組んでいるという。

新規保有はアジア開発キャピタルとの共同保有で、アジアインベストメントファンドが7.91%、アジア開発キャピタルが0.17%を保有し、保有目的は純投資としていた。その後の買い増しでは支配権の取得に保有目的を変更しているものの「現時点で取締役候補者を派遣することは予定していない」としている。

東京機械製作所は7月29日に、「主要株主および主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」で、7月20日付けで、アジアインベストメントファンドが同社の筆頭株主になったことを開示した。今後の見通しについては「特に記載する事項はない」としている。

麻生が若築建設を3度買い増し

医療関連事業や建設コンサルティング事業などを手がける麻生は、6月に5.22%を新規保有した若築建設<1888>の株式を3度買い増し、保有割合を8.76%に高めた。同社は「安定株主として長期にわたり保有する予定」としている。

また、みずほ銀行は、「発行会社の要請に応え、かつ発行会社との取引関係の強化を図る」との理由で、電通グループの株式5.71%を新規保有した。

このほかエイチ・アイ・エス株式について同社代表取締役の澤田秀雄氏が2.56%を手放し、保有割合を31.68%に引き下げたのをはじめ、2020年9月から10カ月連続でペッパーフードサービスの株式を売却してきたフラッグシップアセットマネジメントによる、同株式に対する大量保有報告書の提出はなかった。

2021年7月の大量保有報告書の提出件数は911件で、このうち保有割合を増やしたのが248件、新規保有が192件、保有割合を減らしたのが394件、契約の変更などが77件だった。

文:M&A Online編集部