M&A Online編集部が大量保有データベースで2020年5月の大量保有報告書の提出状況を調べたところ、旧村上ファンド系の投資会社レノが取締役の選任などを求めていた施工不良問題に揺れる賃貸アパート大手のレオパレス21について3件の提出があった。
レノの動きはなく、投資会社のアルデシアインベストメント(東京都中央区)が1.04%買い増し保有割合を19.16%とした一方、英国の投資会社オデイ・アセット・マネジメントは保有割合を1.01%引き下げ8.15%に、野村証券も保有割合を2.85%引き下げ、3.29%とした。
役員らによる金品受領問題で揺れる関西電力については、株主である大阪市、神戸市、京都市の3市が共同保有者として12.28%を保有したとの報告書を提出。同報告書には「経営の透明性の確保」と「取締役の報酬の開示」などを求める株主提案を行ったことを記載した。
このほかソフトバンクが2020年5月25日に東京証券取引所のTOKYO PRO Marketに上場したC Channelの28.98%を新規に保有した。
C Channelは女性が高い関心を持つテーマを中心に、手軽に視聴できる動画を制作している企業で、2020年3月期の売上高は74億4900万円、営業損益は13億9000万円の赤字だった。
C ChannelについてはONE STEPが21.42%を、ジャフコが8.88%を、IWAIが7.48%をそれぞれ新規保有した。
イオンは68.52%を保有していた結婚相手紹介サービスを手がけるツヴァイの全株式を手放した。婚活パーティーやネット婚活に強みを持つIBJが実施したツヴァイを対象にしたTOB(株式公開買い付け)に応じた。
2020年5月の大量保有報告書の提出件数は874件で、このうち保有割合を増やしたのが196件、新規保有が129件、保有割合を減らしたのが461件、契約の変更などが88件だった。
5月は新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う緊急事態宣言下だったが、5月としては過去10年間で、2014年の969件、2013年の920件、2018年の897件に次ぐ4番目の件数となった。
文:M&A Online編集部