2019年11月の大量保有報告書の提出件数は982件で、このうち株式の保有割合を増やしたのが220件(構成比22.4%)、新規保有が153件(同15.6%)、保有割合を減らしたのが544件(同55.4%)、契約の変更などが65件(同6.6%)となり、増加と新規の合計が減少を171件下回った。
増加と新規の合計が減少を下回るのは2 カ月連続で、2019年10月(77件)を超え今年最多となった。 増加と新規の合計が減少を1件下回った前年同月(2018年11月)と比べても大きく変動した。
M&A Online編集部が構築した「大量保有報告書データベース」で集計した。
2018年11月 | 2019年10月 | 2019年11月 | |
---|---|---|---|
増加 | 290 | 203 | 220 |
新規 | 155 | 167 | 153 |
減少 | 446 | 447 | 544 |
変更 | 69 | 97 | 65 |
合計 | 960 | 914 | 982 |
増減 | -1 | -77 | -171 |
【増加は株式の保有割合を増やした件数、新規は新たに株式を保有した件数、減少は株式の保有割合を減らした件数。増減は増加と新規の合計から減少を引いた件数】
増加と新規の合計から減少を引いた件数の推移(2019年)
米投資会社のフォートレス・インベストメント・グループがTOB(株式公開買い付け)中のユニゾホールディングス(HD)は、10月に引き続き2カ月連続で大きな動きは見られなかった。
バークレイズ・キャピタル・セキュリティーズ・リミテッドが保有割合を0.62%下げ5.36%にしたのと、野村証券が2.0%引き下げ3.22%とした2件にとどまった。
フォートレスは11月15日にそれまで4000円としていた買付価格を100円引き上げ、4100円としたものの、市場価格が買付価格を大きく上回る状況が続いており、11月29日に7度目となる買付期間の延長(12月13日)を行った。
ユニゾHDの合意を条件に、TOBによるユニゾHDの完全子会社化を目指している米投資ファンドのブラックストーンは、11月28日に合意が得られなかったとしてユニゾHDとの協議期限を2019年12月6日まで延長すると発表した。こちらも延長は6度目となる。
ユニゾHDが11月24日に公表した資料によると、ユニゾHDはフォートレス、ブラックストーンのほかにも国内外のファンド5社、国内事業会社1社の合計6社とTOBに向けた協議を行っているという。
施工不良問題を抱えるレオパレス21については、10月に動きのなかった旧村上ファンド系のレノが保有割合を1.08%引き下げ9.46%としたほか、英国投資ファンドのオデイ・アセット・マネジメントも保有割合を1.12%引き下げて14.34%とした。一方、アルデシアインベストメントは保有割合を1.01%高め、16.1%とした。
Zホールディングスの傘下に入ったZOZOについては、創業者の前澤友作氏が保有割合を23.65%引き下げ、17.51%とした一方、Zホールディングスはそれまでの0%から一気に49.08%に高めた。野村証券やブラックロック・ジャパンも保有割合を1%強引き下げた。
10月に小僧寿しの41.37%を保有していたケイマン諸島に本社を置く投資会社Evo Fundは、11月に9度株式を売却し保有割合を19.4%に引き下げた。
文:M&A Online編集部