スポーツクラブ事業、日立・大阪ガス・ブリヂストンが相次いで売却

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大阪ガスの子会社が展開するスポーツクラブ「コ・ス・パ」(埼玉県草加市の店舗)

長引くコロナ禍を受け、スポーツクラブ業界がサバイバルを賭けた激動期に突入している。それを象徴するのがM&Aの広がりだ。日立製作所、大阪ガス、ブリヂストン…。売り手企業にはそうそうたる顔ぶれが並ぶ。

大阪ガス、業界中堅のオージースポーツを売却へ

日立製作所傘下で不動産関連の日立リアルエステートパートナーズ(東京都千代田区)は3月24日、フィットネス・フットサル事業を売却すると発表した。売却先はスポーツクラブ山新(水戸市)。

日立リアルエステートは茨城県内でジム・スタジオ・プールを備えた総合スポーツクラブ4施設と、フットサル2施設を運営しているが、小型業態のフランチャイズ展開や異業種の参入などで競争が激化していることを踏まえ、県内の同業者に事業を託すことにした。

業界内に衝撃が走ったのは大阪ガスによるスポーツクラブ事業からの撤退だ。同社は3月半ば、関西を中心に総合スポーツクラブ「コ・ス・パ」、24時間ジム「FITBASE24」といったブランド名で62施設(受託を含む)を運営する子会社のオージースポーツ(大阪市)を、物流大手のセンコーグループホールディングスに売却すると発表した。

オージースポーツの2021年3月期の売上高は104億4000万円で、スポーツクラブ業界では中堅に位置する。足元ではコロナ禍による営業休止、会員減少などで業績が落ち込んでいたが、1981年の設立から業歴40年を超える名門だ。今回の売却について、親会社の大阪ガスはグループ事業見直しの一環としている。

売却先のセンコーは子会社を通じて、山梨県、東京都を中心に総合スポーツクラブ「ブルーアース」、24時間ジム「MY‐BODY」を展開している。オージースポーツを傘下に取り込み、事業エリアを関西圏に広げるとともに、介護事業と連携した新サービスに開発などを目指す。

電力・ガスの公益企業では2008年に、東京電力(現東京電力ホールディングス)が都内や神奈川県でスポーツクラブを10数店舗展開する子会社のスポーツプレックス・ジャパンをコナミホールディングスに売却した例がある。

ブリヂストン、スイミングスクールから撤退

ブリヂストンはスイミングスクールなどから撤退する。九州を中心にスイミングスクール19施設をはじめ、テニススクール、ジュニアサッカースクールを運営する子会社のブリヂストンスポーツアリーナ(福岡県久留米市)を手放すことを決めた。「東進ハイスクール」で知られる受験塾大手のナガセに全株式を3月中に譲渡する。

ナガセは2008年に買収したイトマンスイミングスクール(東京都新宿区)が首都圏や関西で53施設(うち直営35)を運営する。

スポーツクラブ業界はコロナ禍で事業環境が一変。入会者の減少、退会者・休会者の増加などで経営基盤が大きく揺らいでいる。こうした中、多角化の一つとしてスポーツクラブ事業を位置付けてきた有力企業といえども、事業の取捨選択が避けられなくなっている。

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文:M&A Online編集部