コナミ・セントラル・ルネサンス、運動不足のあなたに【スポーツクラブ3選】

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多忙なサラリーマン諸兄にとって悩みの種の一つが日ごろの運動不足。年齢とともに腹回りも“立派”になってきたに違いない。そんなミドルにおススメなのがスポーツクラブ。休日といわず、勤め帰りに立ち寄り、汗を流せる。

マシンジム、プールに比べ、男性に敷居が高いとされるのがエアロビクスや格闘技系などのグループレッスンが行われるスタジオ。だが、勇気を出してスタジオデビューを果たせば、スポーツクラブの楽しみがぐんと増す。

最近は24時間営業のマシン特化型店舗も急速に増えているが、今回はマシンジム、スタジオ、プールを備えた総合型スポーツクラブを展開する大手3社にスポットをあてる。

創業50年を迎えたセントラルスポーツ

スポーツクラブ業界の草分けとされるのがセントラルスポーツ<4801>だ。1969年に創業し、今年50周年を迎えた。元水泳選手で、前回の東京五輪(1964年)代表だった後藤忠治氏(現会長)らが立ち上げた。東京都内にスイミングスクールを開校したのが始まりで、80年代から総合的なスポーツクラブを本格的に展開した。

この80年代、追い風となったのが米国から導入されたエアロビクス(ダンス形式の有酸素運動)の一大ブーム。日本でスポーツクラブが急増し始め、セントラルも多店舗化を推し進めた。今年3月末で26都道府県に172店舗(ほかに受託59店舗)を展開し、店舗数は業界2位。

最近は中核ブランド「セントラルスポーツ」のほか、マシンジムに特化した小型店「ジムスタ」や24時間営業店を増やしている。昨年12月には東京・丸の内のビジネス街に新業態「ジム&ラン」をオープン。皇居へ気軽に走りに行ける好立地にあり、ランニングステーションとして利用してもらおうというねらいだ。

ライバル他社のクラブ会員にも人気があるのが同社の株主優待券。1枚の優待券で2人まで施設を利用できるのは業界でも同社だけ(他社は1枚で1人)。金券ショップでも売られているので、施設を体験してみたい場合に重宝する。

コナミスポーツ、国内トップを走る

コナミスポーツは最大手として、直営182店舗、受託200店舗(3月末)を展開する。総合エンタテインメント企業のコナミホールディングス<9766>の中核子会社の一つで、M&Aを繰り返して今日の地歩を築いている。

「コナミスポーツクラブ」としての歴史は意外に新しく、20年足らず。2001年に当時のマイカル(後にイオングループに吸収される)からスポーツクラブ子会社(ピープル)を買収したのが起点で、以後、急ピッチで戦線を拡大した。ダイエー、日本生命保険、阪急電鉄、東京電力などからスポーツクラブ事業を次々に買収した。

コナミスポーツの売り物の一つはスタジオ向けの自社開発プログラム。筋力系「コアクロス」「パワークロス」、インターバルトレーニング「カーディオクロス」、調整系「骨盤フレックス」などがあり、いずれも自分のペースや強度に合わせて短時間で運動できる。2018年には府中店(東京都)などで大人向け卓球スクールを開講し、好評を得ている。

ただ、全般的にシニア層向けのプログラムが充実する半面、伝統的なエアロビクス・ステップのレッスンが近年ぐっと減っている。もっとも、エアロ系の“地盤沈下”は大手3社に共通するが、なかでもコナミではその傾向が顕著とされる。

ちなみに、コナミの施設を利用できる株主優待券はない。

ルネサンス、DICの社内ベンチャーが始まり

「スポーツと健康のソリューションカンパニー」を標ぼうするのはルネサンス<2378>。97店舗(ほかに受託34店舗、3月末)を展開し、コナミスポーツ、セントラルスポーツに次ぐ業界3位の座を固める。闘病中の競泳女子の池江璃花子選手は「スポーツクラブルネサンス」に所属する。

ルネサンスの出自はやや意外。1979年に大日本インキ化学工業(現DIC)の社内ベンチャーとして、ボウリング場を改装してテニススクールを千葉市内にオープンしたのが始まり。総合型スポーツクラブに転進したのは80年代後半から。これまで三菱地所、キッコーマン、日機装、帝人などから傘下のスポーツクラブを買収し、全国的な店舗網を確立した。

2014年にはベトナムに進出した。現在、同国初の日本式スイミングスクールをハノイで2カ所運営する。会員数はすでに1000人を超えるという。

大手各社はスポーツクラブの枠を超えて、健康サポートや介護予防に力を注いでいるが、ルネサンスは16年から新業態の介護リハビリ施設「元氣ジム」を展開中。

当初はDICの100%子会社だったが、2004年に株式上場し、今ではDICの持ち株比率は20%を下回り、経営のフリーハンドを手にしている。株主優待券は100株保有で2枚(500株以上は一律10枚)もらえる。1枚につき1人が無料で施設を利用できる。

◎スポーツクラブを取り巻く主な流れ

1964年 東京五輪
1965年 民間スイミングクラブが登場
1970年代 石油危機(73年)、70年代後半にジョギングブーム、ダンスブーム、テニスブーム
1980年代 ローインパクトエアロビクス導入始まる(86年)
エアロビクス、スイミングスクール、スキー、スキューバ、ゴルフブーム
都心だけでなく郊外にも大型クラブ、20代女性から30~40代男女へマーケット拡大
スイミングスクールからスポーツクラブへに業態転換
1990年代 バブル崩壊、赤字クラブ続出。ダンス系・カルチャー系プログラムの導入始まる
中高年層の参加が徐々に進む
2000年代 格闘技系プログラムが広がり始める(00年)、アウトドアフィットネスプログラムの導入が進む(09年)、ホットヨガ業態が広がる(13年)

※セントラルスポーツのHPから抜粋

文:M&A online編集部