新型コロナ第7波の襲来が懸念される「三つの予兆」とは?

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中国では新型コロナの感染拡大が続く。日本はどうなる?(Photo By Reuters)

東京都の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新規感染者数が3日、3357人と前週同日を1691人下回った。丸2年が経過したコロナ禍も、ようやく終息を迎えるのだろうか?しかし、まだ懸念材料は残っている。コロナ第7波の襲来が懸念される「三つの予兆」が現れているのだ。

GWの人流が感染爆発を招く

一つ目の懸念は、3年ぶりとなる行動制限のないゴールデンウィーク(GW)の大型連休に突入したことだ。JR東海が発表した東海道新幹線指定席のGW期間中の予約件数は前年比2.39倍の72万席、JR西日本が発表した山陽新幹線では同2.13倍の36万5700席と、いずれも2倍以上に増えた。航空路線でも日本航空(JAL)、全日空(ANA)ともに同2倍以上の予約が入っているという。

これまでの感染爆発の直前には、人流の増加があった。GWで全国規模の移動が大幅に増加したことにより、またも感染爆発が起こるかもしれない。感染力が極めて高いオミクロン株の派生型「XE」の感染も確認されており、5月中旬に東京都で1日に1万人を超える新規感染者が発生するとの試算もある。

どうなる?中国での感染拡大、3回目のワクチン接種率

二つ目の懸念は中国での感染拡大だ。「ゼロコロナ」政策で感染を封じ込めてきた中国だが、上海や北京などの巨大都市で感染が広がっている。中国政府による厳しい行動宣言で、現地での感染は抑え込めるかもしれない。だが、武漢で確認された新型コロナがあっという間に世界に拡大したことを考えれば、上海や北京との人的交流が盛んな日本に飛び火することも十分にありうる。

三つ目の懸念は3回目のワクチン接種率の伸び悩みだ。全国民の3回目の接種率は50%を超えたが、現時点で感染者が最も多い20代や30代が30%程度と低い。この世代はGW中の行動範囲が広く、他者との接触も多いため、過去に2回のワクチン接種をしても新型コロナに罹(かか)る「ブレークスルー感染」を引き起こすリスクがある。

感染拡大は次の「大きなリスク」の芽となる。感染拡大が繰り返されることで、新たな変異株が生まれる可能性が高まるのだ。ワクチンが全く効かない、あるいは極めて死亡率が高い変異株が登場すれば、世界はコロナ第1波の時と同様に、「全く打つ手がない」状況に追い込まれるだろう。コロナ感染の第7波を食い止めるのか、それとも招き寄せるのか…GW明けの状況でそれが明らかになる。

文:M&A Online編集部

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