企業のことを知るには、企業ホームページやIR資料などをチェックするのが王道ですが、企業ミュージアムや工場などを訪れてみるのも一つの手です。
そこで、数多あるスポットの中から、大人も楽しめる社会科見学スポットを紹介します。
今回参加したのは、JALこと日本航空<9201>の工場見学、「JAL工場見学~SKY MUSEUM~」。JALのメインテナンスセンターを訪ねました。
受付は工場見学の30分前からスタート。入館カードを受け取って、いざ入館! 工場見学のプログラムにも展示エリアを見る時間は設けられていますが、展示物が多いので受付時間きっかりに入館して、ひととおり見て回っておくのがおすすめです。
展示エリアには、航空整備士や空港スタッフ、客室常務員やパイロットなどのお仕事紹介コーナーがあるほか、日本航空の歴史をまとめた大年表や歴代のオリジナルグッズ、ポスターや機内誌など、さまざまな史料が並んでいました。
およそ70年におよぶ日本航空のあゆみも、振り返ってみるとさまざまな出来事があったと思い知らされます。
日本航空の沿革 |
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1951年 日本航空(株)設立(資本金1億円) |
1953年 日本航空株式会社法(日航法)が公布・施行 |
1953年 日本航空(株)は解散し、日航法に基づき、新たに半民半官の特殊会社日本航空(株)を設立(資本金20億円) |
1954年 昭和天皇・香淳皇后が日航機に初搭乗。以降、皇族ら国の要人のフライトを担う |
1961年 東京証券取引所第2部に上場 |
1963年 日本航空整備を吸収合併 |
1970年 東京、大阪、名古屋の各証券取引所第1部に上場 |
1985年 JAL123便墜落事故(8月12日)。死者520人。日本の航空史上最大の惨事に |
1987年 日航法が廃止となり、完全民営化へ |
2002年 日本エアシステムと経営統合し、日本航空システムが発足 |
2004年 日本航空システムから日本航空に社名変更 |
2007年 国際的航空アライアンス「ワンワールド」に正式加盟 |
2008年 日本アジア航空を吸収合併 |
2009年 経営再建の一環としてグループ会社、北海道エアシステムの経営から撤退 |
2010年 会社更生手続きを申請(1月19日) |
2010年 京セラ名誉会長の稲盛和夫氏が会長兼グループCEOに就任。同氏に再建が託される(2月1日) |
2010年 上場廃止(2月20日) |
2010年 日本航空インターナショナルを存続会社に、持ち株会社の日本航空とジャルキャピタルと合併(12月) |
2011年 会社更生手続き終了(3月28日) |
2011年 日本航空インターナショナルから日本航空株式会社に社名変更(4月) |
2012年 破綻から2年8カ月で、東証1部に再上場(9月) |
2014年 ジャルエクスプレスを吸収合併。北海道エアシステムを再子会社化 |
展示の中でもJALグループの歴代制服展示は、その変遷を眺めているだけで各時代の流行が見てとれて面白いです。
さらに制服体験エリアでは、JALスタッフの制服を着て記念撮影が可能。飛行機がプリントされた大型パネルやコックピットの模型をバックに、客室乗務員やパイロット気分が味わえます。制服のサイズは子どもから大人まで揃っているので、家族でJALコスプレを楽しんでみるのもおすすめです。
工場見学のスタート時間になると、まずはスライドや映像を交えての座学が始まります。航空機が飛ぶ原理や機体ができるまでの組み立ての様子など、飛行機にまつわる基本知識をパイロットや航空整備士、客室乗務員などの経験者が解説してくれます。
意外だったのが、羽田空港のすごさ。15万㎢もの敷地内には4つの滑走路があり、国内最大の空港なのだそう。さらに、年間利用客数も2017年の統計ではおよそ8540万人と、世界第4位。参加者の皆さんからも、成田空港の方が大きいイメージがあったのか、感嘆の声が上がっていました。
航空教室が終わると、展示エリアやJALオリジナルグッズショップを自由に見て回れる見学時間が30分間用意されています。その後、いよいよ航空機とご対面すべく、格納庫へ。
格納庫で整備中の航空機を見ていると、さまざまな種類があるのがよくわかります。機体の大きさはもちろん、エンジンや翼の形の違いを、実物を目の前に見比べられるのは航空機マニアでなくともテンションが上がるはずです。
さらに格納庫という非日常空間から羽田空港を離着陸する飛行機を見ることができるのも、工場見学ならでは。
賞味100分の工場見学が無料という、太っ腹のツアー。一度は足を運んでみる価値、大アリです。
・JAL工場見学~SKY MUSEUM~ 申し込みはインターネットのみ https://www.jal.co.jp/kengaku/
文:M&A Online編集部