モンドリアンの提出した大量保有報告書が7年ぶりの高水準たが…。その内訳は

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同社ホームページより

英国の投資運営会社であるモンドリアン・インベストメント・パートナーズ・リミテッド(Mondrian Investment Partners Limited)が提出した直近1年間(2018年=2017年11月22日-2018年11月21日)の大量保有報告書の件数が11件となり、2011年の同期間(2010年11月22日-2011年11月21日)の12件に次ぐ、7年ぶりの2ケタ台となった。 

ただ11件の内訳は保有割合を増やしたのはゼロ件で、2年連続のゼロとなり、保有割合を減らしたのは8件で、2009年以降の10年間で最も多い数字になった。新規保有は3件で、ここ7年間はゼロか1だったためやや膨らんだと言えるものの、全体としては同社の日本市場に対する姿勢は引き気味と言えそうだ。 

運用資産は約550億ドル(約6兆1600億円)

同社は1990年の設立で、2004年に実施したデラウェアインターナショナル・アドバイザーズ・リミテッドの買収に伴い、社名を現在のモンドリアン・インベストメント・パートナーズ・リミテッドに変更した。 

2011年には従業員による同社の所有権を100%に引き上げるために、プライベート・エクイティ・ファンドが持つ少数株主持分を買収した。

2018年現在の従業員数は170人ほどで、このうち55人ほどが投資チームに属している。顧客は北米、欧州、アジア、オーストラリアに幅広く存在し、顧客の国内インフレ率よりも高い収益率を提供することや、長期的な国際市場の下落の中で資本を維持すること、長期的なトータル利益を求めることなどを投資方針としている。 

配当利回りと将来の実質成長率が、投資先を決定するプロセスにおいて重要な役割を果たしており、ボトムアップとトップダウンの分析を組み合わせているという。2018年9月30日現在の運用資産は約550億ドル(約6兆1600億円)に達する。 

日本はインフレ率2%の実現を目指してさまざまな対策を講じているが、2%の実現は難しい状況にある。低いインフレ率の日本で、長期的な利益を目指す同社が次に打つ手はどういうものなのか。新規保有件数を増やした直近1年間の動きは今後も続くのか。今後の動きを見守りたい。

保有割合の増減企業数と新規保有企業数

増加 新規 減少 合計
2009 1 0 2 3
2010 9 5 1 15
2011 7 1 4 12
2012 1 0 1 2
2013 4 1 3 8
2014 0 0 2 2
2015 2 0 6 8
2016 1 0 2 3
2017 0 1 3 4
2018 0 3 8 11

2018年(2017年11月22日-2018年11月21日)の大量保有報告書による保有企業名と保有状況

企業名 業種 保有状況
1 インフォマート サ-ビス業 新規
2 ニフコ 化学 新規
3 デジタルアーツ 情報・通信 新規
4 ホギメディカル 繊維製品 減少
5 エフ・シー・シー 輸送 減少
6 武蔵精密工業 輸送 減少


文:M&A Online編集部