施工不良問題に揺れる賃貸アパート大手のレオパレス21<8848>の株式について、投資会社のアルデシアインベストメント(東京都中央区)が6.08%を買い増し、15.09%に保有割合を高めた。これと入れ替わる形で、旧村上ファンド系投資会社のレノ(東京都渋谷区)が保有割合を5.63%減らし、10.55%とした。アルデシア、レノの両社が6日、関東財務局に提出した大量保有の変更報告書で分かった。
アルデシアは8月30日、レオパレス株式を5%を超えて新規保有(5.27%)していることが判明したばかり。買い増しをさらに進めた結果、英投資会社オデイ・アセット・マネジメントに次ぐ大株主に躍り出た模様。オデイは7月19日にレオパレス株を1.24%買い増し、保有割合を16.86%に高めたとする変更報告書を提出したが、これ以降、動きは出ていない。
一方、レノがレオパレス株の大量保有に関する変更報告書を提出するのは5月23日以来約3カ月半ぶり。レノによる新規保有(6.24%)は5月14日に判明し、16.18%まで保有割合を一気に高めていた。レノがレオパレス株の保有割合を減らす内容の変更報告書を提出するのは今回が初めてだが、それでも保有割合は10.55%といぜん2ケタを維持している。
6日時点で保有割合が10%(共同所有分を含む)を超えるのはアルデシア、オデイ、レノの3社。アルデシア、オデイの保有目的は「純投資」。これに対して、レノは「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」を保有目的としている。
レオパレス株価は5日に6月13日以来の300円台に回復。6日の終値は3円安の304円だった。
レオパレスは5日、不備の見つかった施工不良物件が8月末時点で2万3483棟に達したと発表した。7月末時点から1344棟増えた。同社は当初6月末までとしていた施工不良の有無についての調査を10月末までに終える予定。
◎レオパレス21:10%超保有者による大量保有報告書の提出状況
提出日 | 保有者 | 保有割合 |
9/6 | アルデシアインベストメント(6.08%増) | 15.09% |
〃 | レノ(5.63%減) | 10.55% |
9/5 | アルデシアインベストメント(1.54%増) | 9.01% |
9/3 | アルデシアインベストメント(2.2%増) | 7.47% |
8/30 | アルデシアインベストメント(新規) | 5.27% |
7/19 | オデイ・アセット・マネジメント(1.24%増) | 16.86% |
※新規保有の報告書提出は2018年8月24日 | ||
5/23 | レノ(2.05%増) | 16.18% |
※新規保有の報告書提出は2019年5月14日 |
文:M&A Online編集部