​日本が「仮想通貨」に力を入れるわけ

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中国やサウジアラビアなどの国が仮想通貨の取り扱いを禁止する中、日本は取り扱いのルール作りを推し進めるなど、仮想通貨の安定化で世界をリードしようとしている。なぜ日本は仮想通貨に力を入れるのか。

仮想通貨に対し世界は混とん

世界の多くの中央銀行は仮想通貨の取り扱いや使用に警告を発している。資本の流出や激しい価格変動によるリスク、さらにはマネーロンダリングやテロ資金の調達などの問題があるためだ。

こうした情勢を考えると中国やサウジアラビアのように、仮想通貨の取り扱いを禁止する国々が増える可能性は少なくない。すでにエジプトではイスラム教義に反することから、取り扱い禁止の方向に向かいつつあるという。

その一方で、日本のように法律を整備し、仮想通貨の安定化やマネーロンダリングの防止などを進めようとする国も数多くある。世界は仮想通貨に対し、混とんとしているのが現状だ。

2018年3月に開催されたG20では、仮想通貨の不安定さやマネーロンダリングなどの犯罪の可能性について議論されたが、規制については統一見解を見出すことができなかった。このことが仮想通貨の現状をよく物語っている。

ただ、この会合では仮想通貨の取り引きに用いられるブロックチェーン技術については、前向きな判断が下された。ブロックチェーン技術が金融システムだけでなく、物流や資材調達など幅広く活用できるためだ。

仮想通貨の取り引きを禁止した中国でも最近、禁止ではなく規制に動くとの推測も出始めており、どちらに傾くのかは見通しが難しい状況にある。

そうした中、日本は2017年4月に仮想通貨交換業者の登録制度をスタートさせ、仮想通貨業界の健全な発展に向け舵を切った。

2018年1月にコインチェックによる仮想通貨ネムの580億円分の不正流出事件発生後は立ち入り検査などを行い、仮想通貨交換業者の信頼性向上に注力している。

仮想通貨交換業者の内部監査体制の強化や、遵法精神の向上、専門家の育成などを通じて、仮想通貨市場の安定化や利用者の保護を実現しようとういう戦略だ。

ではなぜ、日本は仮想通貨についてこのような前向きな姿勢をとるのか。

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できるか、made in japanに並ぶ仮想通貨ブランド

日本は人口減少時代に入っており、今後国内の市場は縮小する方向にある。またこれまで誇ってきた家電や半導体、液晶なども競争力を失い、韓国や台湾などに水をあけられている。

この間大きな技術革新は見らせず、閉塞感が漂いつつある。フィンテックに代表される金融分野でも、欧米の後塵を拝している。そこで、起死回生の一手として仮想通貨に期待していると見ることができる。

仮想通貨大国としての地位を築けば、世界中から才能ある人々が集まり、消費が増え経済を活性化することができる。さらに仮想通貨業者からの税収も期待できる。

金融街のあるニューヨークやロンドンのように東京に仮想通貨街ができれば、落ちた日本ブランドを再度蘇らせることができる。モノづくりのブランドとしてのmade in japanに並ぶ、仮想通貨のブランドが世界中を巡り回る日を夢見る人は少ないないだろう。

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文:M&A Online編集部