「JR」東、西、九州にコラボの動き スポーツ、チョロQ、ヨガなどを提供

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写真はイメージです

JR各社がコラボの動きを強めている。東日本旅客鉄道(JR東日本)<9020>は、エイチ・アイ・エス(HIS)<9603>の関連会社でアクティビティ(屋外で行うさまざまな活動的な遊び)専門の予約サイトを運営するアクティビティジャパン(東京都新宿区)と協業し「アクティビティジャパンJRE MALL店」を出店した。

体験コンテンツを提供することで、新しい働き方、ワーケーション(働きながら休暇をとる過ごし方)を推進するとともに、地方創生にも貢献するのが狙いで、第1弾として日本総合研究所(東京都品川区)などの協力を得て「野沢温泉スポーツワーケーションツアー」を販売する。

西日本旅客鉄道(JR西日本)<9021>は、日本旅行(東京都中央区)と連携して2022年3月4日に、観光列車「etSETOra(エトセトラ)」のオリジナルチョロQ「etSETOra チョロQ」を、etSETOra 車内で発売する。

日本旅行はetSETOraの車内サービス業務を受託しており、4月以降は「etSETOra チョロQ」を広島エリア主要駅のおみやげ売り場や、広島、岡山の日本旅行の一部店舗などで販売する。

九州旅客鉄道(JR九州)<9142>は2022年3月11日から、人生100年時代に向けた健康づくりや社会参加などを応援する取り組みである福岡100PARTNERS(事務局:イデアパートナーズ=福岡市)とのコラボイベントを開催する。

JR九州が運営するコワーキングスペースを会場に「はたらくひとのための朝ヨガ」を実施するほか、健康と働くをテーマにヘルスケア領域の企業などとコラボしたさまざまなコンテンツを提供する。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で各社とも苦しい経営が続いており、JR東日本、JR西日本の両社が営業赤字に陥っているほか、JR九州は黒字転換できる見込みだが、コロナ前には程遠い状況だ。コラボは業績回復のきっかけとなるだろうか。

野沢温泉でスポーツと仕事を

アクティビティジャパンJRE MALL店はJR東日本の交通ネットワークと、日本全国約450種、約1万5000アクティビティプランを紹介しているアクティビティジャパンの強みを生かし、観光だけでなく地域創生につながるような体験コンテンツを販売する。

第一弾となる野沢温泉スポーツワーケーションツアーは、パーソナルトレーナーによるウィンタースポーツレッスンを体験し、スポーツと仕事を交互に行う3泊4日のツアーで、スノースポーツ中級者以上を対象に実施する。

etSETOra チョロQ(日本旅行のニュースリリースより)

JR西日本と日本旅行が、観光列車etSETOra内で販売するチョロQは、車両から広がる瀬戸内海の海をイメージした「青」、海岸線から見える波の「白」をコンセプトにした車両デザインと、特徴的な大きな丸窓やロゴマークを採用した。

JR九州と福岡100PARTNERSによるコラボでは、期間中に福岡100PARTNERS協力店が手がける食品や飲料、化粧品などの朝食を取るために役立つ商品やサービスを提供する。

2社が2期連続の営業赤字に 

3社の2022年3月期は、JR東日本が1150億円の営業赤字の見込みで、前年度に続き2期連続で水面下に沈む。JR西日本も940億~1290億円の営業赤字の見込みで、こちらも営業赤字は2期連続となる。

JR九州は27億円の営業利益を予想する。前年度は228億7300万円の赤字だったため、黒字転換を実現できる見込みだが、コロナ前の2020年3月期の営業利益494億600万円と比べると大きな差がある。

2022年3月期の売上高は3社ともに2ケタの増収見込みで、回復傾向にあることは間違いない。果たしてコラボの効果はいかほどか。

文:M&A Online編集部