ついに新型の「iPhone15シリーズ」が、日本時間の9月13日午前2時に始まる米アップルのイベント「Wonderlust.」で発表される。最上位モデルの「iPhone15 Pro」では望遠レンズを光学4〜6倍へ向上するほか、ボディーに軽量で高強度のチタン合金を採用するなど、機能面も強化される見通しだ。
そうなると、気になるのは価格。円安で輸入製品の高騰が続いており、値上げは避けられない情勢だ。「iPhone15シリーズ」は、いくらになるのか?
現行モデルの「iPhone14シリーズ」では、最も安い「iPhone14」が11万9800円から、最も高い「同 Pro MAX」が16万4800円からだ。それぞれのモデルの本国(米国)価格は799ドルと1099ドルなので、iPhone価格での為替レートは149円93〜95銭となる。「14シリーズ」発売時の為替レート(TTB=金融機関が顧客から外貨を買う際のレート、以下同)は143円48銭だったので、4.5%ほど円安に振った為替設定だ。
iPhoneの販売価格が市中の為替レートよりも円安に設定されているのは、円ドル交換時の手数料を含んでいること、そしてさらなる円安に備えて為替差損を招かないための予防措置のためだ。円安が進行すれば同一モデルでの値上げが、逆に極端な円高に転換すれば値下げもありうる。アップルは世界各国で為替レートに準じた価格設定をしているが、具体的な算出方法は明らかにしていない。
「14シリーズ」と同様の為替設定が適用された場合、2023年9月8日時点での為替レートは146円01銭なので、「15シリーズ」の日本価格は152円59銭で換算されることになる。米国での値上がりがなくても、ベースモデルの「iPhone15」は現行モデルよりも2120円値上がりして12万1920円に、最上位モデルの「同 Pro MAX」は2897円値上がりして16万7697円となる計算だ。
米国での値上げなし | |||
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モデル名 | 米国価格 | 日本価格(予想) | 14との価格差 |
iPhone15 | 799 | 121,920 | 2,120 |
iPhone15 Plus | 899 | 137,179 | 2,379 |
iPhone15 Pro | 999 | 152,438 | 2,638 |
iPhone15 Pro MAX | 1,099 | 167,697 | 2,897 |
一方、機能が大幅に向上する「同 Pro」と「同 Pro MAX」は100〜200ドルの値上げがあるとの見方が有力だ。100ドルの値上げでも現行モデルの「14 Pro」「14 Pro MAX」に比べて約2万円高、200ドルの値上げだと3万5000円を超える大幅な値上げとなる。「15 Pro MAX」は最低でも20万円を超えることになりそうだ。
Proシリーズのみ100ドル値上げ | |||
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モデル名 | 米国価格 | 日本価格(予想) | 14との価格差 |
iPhone15 Pro | 1,099 | 167,697 | 17,897 |
iPhone15 Pro MAX | 1,199 | 182,956 | 18,156 |
Proシリーズのみ200ドル値上げ | |||
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モデル名 | 米国価格 | 日本価格(予想) | 14との価格差 |
iPhone15 Pro | 1,199 | 182,956 | 33,156 |
iPhone15 Pro MAX | 1,299 | 198,215 | 33,415 |
最も高額の1TB(2TBにアップグレードされる可能性がある)ストレージ内蔵の「15 Pro MAX」が200ドル値上げされて1799ドルになった場合、日本での販売価格は27万8000円を超える見通し。現行の同グレード機との比較では、約3万5000円もの値上がりとなる。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、2022年の産業計・男女計の平均初任給額は21万7000円だった。「iPhone15シリーズ」は値上がりしても、ぎりぎり初任給で購入できそうだ。ただ、来年発売される「iPhone16シリーズ」は、為替相場や米国での値上げがあれば初任給では手が届かなくなる懸念もある。「iPhone」が、ますます「高嶺の花」になることだけは間違いないだろう。
文:M&A Online
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