「やはり、また値上がりか…」と、肩を落としたユーザーも多いだろう。アップルが10月18日(米国時間)に発表したタブレット端末の最廉価モデル「iPad」の価格を、前モデルの4万9800円から1万9000円も高い6万8800円に設定した。38%もの大幅値上げだ。同時に現行の「iPad Air」と「iPad mini」も6000~1万2000円ほど値上げされている。そうなると気になるのは、最もユーザーが多い「iPhone」の値上げだ。
どのモデルも米国価格は据え置かれていることから、円安に伴う値上げなのは確実。もっともアップルは円安分を、そのまま日本価格に上乗せしているわけではない。例えば新「iPad」の米国価格(税抜)は449ドル。これを20日につけた1ドル=150円で換算すると6万7350円で、これに消費税を加えると日本価格よりも5285円高い7万4085円になる。実は値上げされているとはいえ、いまだに日本価格の方が割安なのだ。
新「iPad」の商品為替レート(税抜日本価格÷税抜米国価格)は1ドル=139.3円、実際の為替レートよりも10.7円ほど円高になる。新「iPad Pro」は同142円、実際の為替レートよりも8円ほど円高だ。両モデルより1カ月早く発売された「iPhone14シリーズ」の商品為替レートは同136.3円と、実際の為替レートよりも13.7円も円高に設定されている。
モデル | 日本価格(円、税込) | 日本価格(円、税抜) | 米国価格(ドル) | 商品為替レート(1ドル) | 実際の為替レート(1ドル) | レート差額 |
---|---|---|---|---|---|---|
新iPad | 68,800 | 62,545 | 449 | 139.3 | 150 | 10.7 |
新iPad Pro | 124,800 | 113,455 | 799 | 142.0 | 150 | 8.0 |
iPhone14 | 119,800 | 108,909 | 799 | 136.3 | 150 | 13.7 |
iPhone14 Pro | 149,800 | 136,182 | 999 | 136.3 | 150 | 13.7 |
実際のレートとの為替差損はアップルが負担しているが、同社は商品為替レートを度々見直している。新製品投入時の定価改定が一般的だが、円安が進めばモデルチェンジ前に「中途値上げ」することも。「iPhone14シリーズ」は、いつ値上がりしてもおかしくないほど円安が進んでいる。
もしもアップルが新「iPad Pro」と同じ商品為替レート(1ドル=142円)まで円安是正措置を取った場合、「iPhone14」は現在よりも5000円高い12万4800円、「iPhone14 Pro」は6239円高い15万6039円となる。ただでさえ前モデルよりも大幅に値上げされている「iPhone14シリーズ」だけに、追加の値上がりは消費者にとっても痛い。
上級モデルの「iPhone14 Pro」はメーカー直販サイトで納品まで2〜3週間待ちで、店頭でも品切れが多い人気機種。アップルの製品値上げは予告なしに即日実施されるだけに、購入するつもりならば1日も早く注文しておく方が良さそうだ。
文:M&A Online編集部
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