ホンダ<7267>は子会社の本田技術研究所(埼玉県和光市)を通じて、ドライバー向けスマートフォンアプリの開発を手がけている米国のドライブモード(カリフォルニア州)の全株式を取得し、完全子会社化した。
ホンダは本田技術研究所内に新設したデジタルソリューションセンターとドライブモードを連携させ「コネクテッド・モビリティサービス領域の新価値を創造していく」としている。
ドライブモードとはどのような企業なのか。また今回のM&Aでどのようなコネクテッド・モビリティサービスが生まれるのだろうか。
ドライブモードは2014年に、米国シリコンバレーで設立されたスタートアップ企業で、同社製の安全運転アプリは、すでに150カ国で250万件以上のダウンロード実績があるという。
同アプリは気に入ったアプリに安全にアクセスするためのもので、音声制御により運転中でも手を使わずに通話やカーナビ、音楽の再生、メールなどを行うことができる。
ホンダとは2015年から共同研究を行っており、代表者の古賀洋吉氏は「私たちの焦点は常にドライバーに安全で意味のあるソフトウエアソリューションを提供することであり、ホンダのハードウエア機能により、コネクテッドカーやオートバイ用のモバイルベーステクノロジーの革新を継続できる」としている。
コネクテッド・モビリティサービスは車に通信機器を搭載し、電話回線やインターネットを介して、さまざまなサービスを提供するもので、車の自動運転にも欠かすことのできない技術として注目を集めている。
ホンダは2017年11月にソフトバンク<9434>と第5世代移動通信システム(5G)を活用したコネクテッドカー技術の共同研究を開始。高速移動中の車で、通信する基地局を安定的に切り替える技術や車載アンテナの開発などに取り組むとしていた。
日本では2020年春に5Gの商用サービスが始まる。5Gは高速、大容量、低遅延といった特徴を持っており、臨場感のある立体映像や格闘ゲームやシューティングゲームなどを快適に楽しめる。ホンダのコネクテッドカーは、通話やカーナビ、音楽の再生、メールなどはもちろん、自動運転なども視野に入ってきそうだ。
文:M&A Online編集部