いいさかなの日「はま寿司」「くら寿司」が取り組みを展開 ぐるなびも参画

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写真はイメージです

農林水産省水産庁は、毎月3日から7日を「さかなの日」と定めた。特に11月は「いいさかなの日」として、魚の消費拡大に力を入れる計画だ。

これを受け回転ずしチェーンのはま寿司(東京都港区)は、11月3日から7日まで、ネットで注文すると対象の商品を7%引きで販売する。

回転寿司チェーンのくら寿司<2695> は、11月27日に開催される、さかなの日のキックオフイベントで、「お寿司で学ぶSDGs」の特別授業を実施する。

このほか、ぐるなび<2440>も、約520社2200店舗(2022年10月28日時点)の賛同飲食店で、限定メニューの提供や、食品ロス対策としての未利用魚を活用したメニューキャンペーンなどを展開する。

さかなの日は魚の消費量が長期的に減少しているため、魚の消費拡大を官民協働で推進するための取り組み。果たして狙い通り魚を食べる人は増えるだろうか。

魚の消費量はピークの半分に

水産庁によると、日本人の水産物の年間消費量は、2001年度の40.2キログラムをピークに減少を続け、2020年度は23.4キログラムまで低下した。

一方、漁業は再生産能力を利用する産業であり、魚を選択して食べることは、SDGsの「持続可能な生産消費形態を確保する」ことにつながるとして、魚の消費拡大に乗り出すことにした。

66%がSDGs対応外食を希望

はま寿司は、厳選12種セット3、4、5人前を、11月3日から7日の間に持ち帰る注文を、ネットを介して行うと、7%引きで販売する。前日までの予約が必要で、支払いはクレジットカード決済になる。

水産庁は11月27日に、日比谷公園で開催される国産水産物の魅力を発信するイベント「Fish‐1(フィッシュワン)グランプリ」内で、キックオフイベントを実施する。このイベントの中で、くら寿司は出張授業を実施する。同社は2022年4月に、寿司という身近な題材から、水産業や食をめぐる課題の解決方法を考える「お寿司で学ぶSDGs」の出張授業プロジェクトを発足。「低利用魚の活用」や、ICT(情報通信技術)を活用した「製造管理システム」の導入による食品ロス削減などの内容の授業を行っている。

ぐるなびは賛同飲食店による魚の消費拡大に向けた取り組みを支援するのに加え、消費者を対象に、さかなの日に関する情報や賛同飲食店の紹介を行うほか、飲食店経営者向けに、ぐるなびメディアを活用して、さかなの日に関する情報を発信する。

ぐるなびの調査によると、SDGsの考え方やそれに基づいて作られた食品を外食に取り入れたい人の割合が66%にのぼっており、サステナブル(持続可能な社会)を意識した食の選択に前向きな傾向がうかがえるとしている。

文:M&A Online編集部