回転ずし「ゴールデンウィークの乱」制するのはどこ GWの支出が1.7倍にとの調査も

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写真はイメージです

4月29日から5月7日までの9連休となる人も少なくない2023年のゴールデンウィーク期間中に、大手回転ずしチェーンが独自のキャンペーンでぶつかり合う。ゴールデンウィークと銘打たずにキャンペーンを展開するところもあり、「合戦」は全社参加の様相を呈している。

5月8日に新型コロナウイルス感染症が、感染力の強い2類相当から最も弱い5類に変更になるのを先取りした形で、ゴールデンウィーク期間中の人出の増加が予想される。ゴールデンウィークの予算(支出)が前年の1.7倍に伸びるとの調査もあり、この戦いを制すればコロナ禍後の成長に弾みが付きそうだ。

いくらや中トロを値下げ

FOOD & LIFE COMPANIES<3563>傘下で、「スシロー」を展開するあきんどスシローは4月28日から5月7日まで、通常赤皿(180円、店舗によって異なる)で提供している「いくら」と「特ネタ中とろ」を黄皿(120円、同)で提供する「食べて納得!GWも得皿祭」を開催する。

目玉商品である「いくら」と「特ネタ中とろ」のほかにも、サーモンの旨みを逃さないように厚切りにした「ぶつ切りサーモン」や、一匹のびん長まぐろからわずかしか取れない大とろ部分を使用した「びん長大とろ」、甘みが強いスーパースイートコーンを特製マヨネーズと和えて通常より多く盛った「大盛りコーン」などがある。

「魚べい」などを展開する元気寿司<9828>は4月29日から5月14日までの間に持ち帰りずしの「厳選9種セット」の購入者を対象に「GW・母の日 必ず当たる!スクラッチキャンペーン!!」を実施し、購入者全員にスクラッチカードをプレゼントする。

景品は1000円引き券、5%引き券、青さのりなど5種類で、スクラッチカード1枚をプレゼントする3人前(27貫=2550円)、同2枚プレゼントの4人前(36貫、3400円)、同3枚プレゼントの5人前(45貫、4250円)の3種を用意した。

「かっぱ寿司」を展開するカッパ・クリエイト<7421>は、ゴールデンウィークだけでなく、こどもの日、母の日、父の日までも対象に、4月26日から7月11日まで持ち帰りセット「初夏の彩りセット」を販売する。

中とろやとろサーモン、ねぎとろ軍艦など人気のネタ11種類を詰め合わせたほか、中とろについては1人前を二貫とした割安なセットで、1人前(11種12貫、1290円)と、2人前(11種24貫、2580円)を用意した。

くら寿司<2695> は、ゴールデンウィークの文言は使ってないが、5月2日から5月7日まで「極み熟成 大とろ、345円」「本ズワイガニ二種盛り、同」「丸ズワイガニ大、230円」などを提供する「極上とろとかに」フェアを開催する。

ゴールデンウィークの予算は前年の1.7倍に

マーケティングリサーチを手がけるインテージ(東京都千代田区)が、全国の15歳から79歳の男女2768人を対象に2023年のゴールデンウィーク期間中の予算(支出)としていくら準備していのかを尋ねたところ、平均は2万7870円で、前年の1.7倍に増加した。

また具体的な予定(複数選択)としては「自宅で過ごす」が最も多い34.9%を占めたが、2位以下は「ショッピング」の23.5%、「外食」の18.9%、「国内旅行」の14.4%の順となった。この結果からゴールデンウィーク期間中に回転ずし店の来店客数が少なからず増えることが予想される。消費者はどこのチェーンを選ぶのだろうか。

文:M&A Online