コロナ禍の中、企業と高校生との連携は増えるのか「カルビー」が12月に連携商品2種を投入

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カルビーの本社(東京・丸の内)

高校生と連携したカルビー<2229>の商品が12月に相次いで登場する。一つは福岡農業高等学校(福岡県太宰府市)と共同開発したポテトチップス「ポテトチップス合格する梅(ばい)梅かつお味」で、もう一つは農芸高等学校(堺市)が味の監修を行った「かっぱえびせん紅しょうが天味」だ。

いずれも地域と数量が限定だが、高校生の感性や意見が反映された商品がスーパーの売り場などを彩ることになる。

企業と高校生の連携については、日本旅行(東京都中央区)が、有⼈宇宙システム(東京都千代⽥区)と共同で、柳川⾼校(福岡県柳川市)が行う宇宙でのたんぱく質結晶⽣成実験を支援する事例や、スタディメーター(東京都千代田区)が、高校生のアイデアと企業の実行力をマッチングさせることで社会課題の解決などに取り組むジブン高校未来部を運営するなどの事例がある。

コロナ禍の中、部活や外出、飲食などで制限を受けている高校生が、商品開発や社会課題の解決などに絡む事例は、増えていくだろうか?

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高校生が最終的な味を決定

カルビーは2021年12月13日に、福岡農業高等学校と共同で開発した受験生を応援する厚切りのポテトチップス「ポテトチップス合格する梅(ばい)梅かつお味」を、中国、四国、九州で発売する。

カルビーの「ポテトチップス合格する梅(ばい)梅かつお味」

福岡農業高校は、2009年から太宰府市内で収穫した梅を使用した商品開発を行っており、今回も太宰府市産の梅を100%使用して、受験生を応援する厚切りポテトチップスに仕上げた。

生徒が自ら収穫し、加工した梅のペーストを粉末状にしたものを原材料として使用しており、生徒がキャッチコピーやパッケージデザインを考え、最終的な味も決定したという。販売は2022年2月下旬までの予定。

また、カルビーは12月6日に、大阪府民のソウルフードである紅しょうが天を取り入れた「かっぱえびせん 紅しょうが天味」を大阪、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山の6府県で発売する。

農芸高等学校が味を監修したのをはじめ、大阪アニメ・声優&eスポーツ専門学校がパッケージデザインを担当した。販売は2022年1月中旬までの予定。

業績は増収増益と好調

カルビ―が10月29日に発表した2022年3月期第2四半期決算は、増収増益を達成しており、2022年3月期通期でも増収営業増益を達成できる見込みだ。

2022年3月期から会計基準を変更したため前年度比は表記していないが、前年度と同じ会計基準を適用すれば、2022年3月期は3.1%の増収となり、営業利益は3.5%の増益となる。

コロナ禍がカルビーの業績に与えるマイナス影響は見られないため、高校生との連携に業績面での足かせはなさそうだ。

文:M&A Online編集部