売れているのには理由がある――。数多あるビジネス書の中から、どの本をいま読むべきか決めるのはなかなか難しい作業。ならば、世間で売れている本に注目してみようというわけで、ハイブリッド型書店サービス「honto(ホント)」の協力のもと、ビジネス書の月間ランキングを毎月お届けする。
<2016年12月ビジネス書ランキング>
ランキング | タイトル/著者/出版社 |
第1位 |
やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける アンジェラ・ダックワース /ダイヤモンド社 |
第2位 |
僕らが毎日やっている最強の読み方 新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意 池上彰、佐藤優 /東洋経済新報社 |
第3位 |
ビジネスエリートの新論語 (文春新書) 司馬遼太郎 /文藝春秋 |
第4位 |
生産性 マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの 伊賀泰代 /ダイヤモンド社 |
第5位 |
はじめての人のための3000円投資生活 横山光昭 /アスコム |
honto調べ(集計期間:2016年12月1日~2016年12月31日)
トップに輝いたのは昨年9月に刊行された「やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める『究極の能力』を身につける」。著者は米国の教育界で注目されている「グリット」(やり抜く力)研究の第一人者で、ハーバード大卒後にマッキンゼーの経営コンサルタントや中学校教員を経て、オックスフォード大学で修士号(神経科学)、ペンシルベニア大学大学院で博士号(心理学)を取得し、心理学者となった華々しい経歴の持ち主だ。成功するために必要な力は才能やIQでもなく、ものごとをやり抜く力だと説く。まさに「継続は力なり」。年初に読むのにふさわしい1冊だといえる。
その意味では、2位の「僕らが毎日やっている最強の読み方 新聞・雑誌・ネット・書籍から『知識と教養』を身につける70の極意」も、新しい年に新たなことを学ぼうという人におすすめだ。こちらは、働き盛りの30代、40代がよく買っていくとのこと。情報があふれかえる時代に、池上彰と佐藤優という現代の「知の巨人」たちがどのように情報を精査し、使いこなしているのかを、具体的な実践方法とともに公開している。新聞や雑誌、ネット、書籍など媒体の形態ごとに使い分けをしているのがポイント。彼らのように全てを使いこなせることはできなくても、何か1つでも真似をしていくことで、自分なりのインプットスタイルを確立できればこっちのものだ。それを毎日続けて、知識を積み上げていく。彼らもこうして毎日コツコツと情報のインプットをしている「グリット」のある人たちなのだ。そして、両者ともに何事も土台となる基礎知識は重要だという。土台がしっかりしていなければどんな知識も積み上げることはできない。ここで紹介されている教科書・学習参考書の活用は、忙しいビジネスパーソンにとって時間短縮でしっかりと基礎知識を吸収できる方法だ。まずは自分が興味のある分野から取り組んでみるのもいいだろう。
年末年始の時期だけに、新たな一年に気持ちを入れ替えて仕事や勉学に励みたいと思う人が多いことを物語るランキング結果となった。まだ2017年も始まったばかり。これらの本を読んで、今年の目標を達成すべし!
まとめ:M&A Online編集部