ステーキの「ペッパーフード」が5期ぶりに営業黒字に「アトム」も3期ぶり

alt
写真はイメージです

ステーキ店「ステーキ宮」などを運営するアトム<7412>と、立ち食いのステーキ店「いきなり!ステーキ」を展開するペッパーフードサービス<3053>の両社が、そろって営業損益が黒字転換する見込みだ。

アトムはコロナ禍の影響で2021年3月期に赤字に転落して以来3期ぶりに、ペッパーフードサービスは過剰出店による業績不振にコロナ禍が重なって2019年12月期に赤字に転落して以来5期ぶりに、本業のもうけを示す営業損益が黒字化する。

コロナ禍の影響が薄れてくる中、子会社の売却や人員削減、不採算店の閉鎖などの取り組みの効果がようやく出てきた格好だ。両社はこのまま回復軌道に乗ることができるだろうか。

「いきなり!ステーキ」が業績回復の牽引役に

アトムの2023年3月期は13億3000億円の営業利益を見込む。同社の2023年3月期第3四半期は12億5600万円の営業赤字のため第4四半期で26億円ほどの利益を確保しなければならずハードルは高そうに見える。

ただ、11億円を超える営業利益を計上した2020年3月期も第3四半期の営業利益は2億円ほどだったため、第4四半期に巻き返せる可能性はある。2023年3月29日時点で業績の修正発表は行っておらず、黒字化の目標は変えていない。

一方、ペッパーフードサービスの2023年12月期は1億3000万円の営業利益を見込む。同社は2025年12月期を最終年とする3カ年の中期経営計画を策定しており、それによると2024年12月期の営業利益は3億2100万円、2025年12月期の営業利益は4億4600万円と着実に回復する姿を描いている。

中でも「いきなり!ステーキ」事業では2025年12月期に16億5200万円の営業利益を見込んでおり、過剰出店やコロナ禍で苦戦を強いられてきた主力事業が業績回復の牽引役となる。

売り上げも4、5期ぶりに増収に

売り上げについてはコロナ禍に加え、両社ともに子会社を売却した影響などもあり、減収が続いてたが、今期はそろって増収を見込む。

アトムはステーキソース「宮のたれ」の製造を手がけているエムワイフーズ(栃木県上三川町)を2022年3月に売却したこともあり2019年3月期から減収が続いていたが、2023年3月期は5期ぶりの増収となる。

ペッパーフードサービスも主力事業だった「ペッパーランチ」事業を2020年8月に売却したこともあり、2020年12月期以来減収が続いていたが、2023年12月期は4期ぶりの増収となる。

【アトムの業績推移】2023年3月期は予想


【ペッパーフードサービスの業績推移】2023年12月期は予想

文:M&A Online編集部