【エイプリルフール】「2022年4月1日のニュース」3選

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(写真はイメージ)

今年もエイプリルフールがやって来た。言うまでもなくエイプリルフールは「4月1日には嘘をついても許される」風習のこと。エイプリルフールの起源は全くの不明で、いつ、どこで始まったか分かっていない。さて、この日には国内外のメディア各社が流す「うそニュース」が話題になる。そこでM&A Onlineからもエイプリルフール向けのニュースをお届けしたい。新年度を迎えて緊張するアタマをほぐしてもらえば幸いだ。

米テスラが「全液体電池」を開発、2030年に実用化

電気自動車(EV)世界最大手米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は1日、ツイッターで全液体電池の開発に成功したことを明らかにした。従来型リチウムイオン電池をしのぐ次世代EV電池と期待されている全固体電池を、さらにしのぐ高性能を実現するという。技術的なデータは明らかにしなかった。

全固体電池は正極、電解質、負極の全てを固体で構成するため、従来の電池に必須だった電解液が不要で、直接積層(バイポーラ化)が可能となり、小型軽量化と質量エネルギー密度の向上を両立できる。同じ重量であれば航続距離はリチウムイオン電池の2倍となり、わずか15分間で80%の急速充電が可能となる。

テスラが開発したと主張する全液体電池は発想を180度転換して、正極、電解質、負極の全てを液体で構成。一見するとただの水筒だが、質量エネルギー密度は全固体電池の4倍となる。充電済みの液体を電池本体に流し込めばよく、いわば「充電時間」はガソリンの補給とほとんど変わらない。

現在のテスラ車に搭載しているリチウムイオン電池に比べると、航続距離は8倍に。満充電状態だと約5500kmの走行が可能で、ガソリン車を大幅に上回る。さらに本体が液体なため、電池の形状を自由に設定できる。テスラでは車の窓ガラス内部に全液体電池を組み込むことで車内スペースを有効利用する考えだ。

テスラは全固体電池EVの発売を目指すトヨタ自動車に対抗して、全液体電池の開発に乗り出したと見られる。一方、トヨタは「全液体電池の技術的な根拠は全く明らかにされていない」とした上で、「口では何とでも言える。本当に全液体電池を開発したのなら、わが社か第三者の研究所でサンプルを検証させてほしい」とのコメントを発表した。現在、このコメントに対するテスラからの回答はない。

露オリガルヒ、JR北海道を買収へ

ロシアの新興財閥オリガルヒの3社連合が共同出資によるJR北海道の買収に向け、同社の全株式を保有する独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構と日本政府に働きかけていることが1日に分かった。買収に名乗りを上げたオルガルヒ3社の社名は明らかになっていない。約8370億ルーブル(約1兆2400億円)前後での買収を目指す。現在の路線は全て引き継いで営業を続けるほか、日高本線や名寄本線、天北線などすでに廃止した路線の復活も視野に入れているという。

稚内とサハリンのコルサコフを鉄道連絡船で結ぶ交渉も併せて進めている。これが実現すれば、北海道から鉄道連絡船でサハリンを経由し、ホルムスク・ソルチローヴォチヌイ駅とロシア沿海州のワニノ駅を結ぶワニノ・ホルムスク鉄道連絡船でロシア本土と直通運転が可能だ。

稚内・コルサコフ航路は旅客と貨物のみの輸送でスタートするが、2030年をめどに北海道新幹線を除く道内の全路線をロシア鉄道標準の広軌(1520 mm)へ改軌し、鉄道車両ごと輸送する鉄道連絡船として運行する計画。北海道で運行される鉄道連絡船は、1988年に廃止された青函連絡船以来となる。

鉄道建設・運輸施設整備支援機構と日本政府は、オリガルヒ連合によるJR北海道買収を受け入れるかどうか慎重に検討する。政府はJR東日本、JR東海、JR西日本も交えた競争入札を模索しているが、JR3社は応札に消極的で、譲渡先はオリガルヒ連合に絞られそうだ。政府関係者は「ロシアによるウクライナ侵攻に伴う経済制裁を課していることから、当面は棚上げになる」と静観の構え。

買収の最大のネックはオリガルヒ連合がルーブル払いでの買収を提案していること。政府関係者は「日本円またはドル払い、最悪でもビットコイン払いでなければ(JR北海道の)譲渡はありえない」と強調しており、買収が事実上の「門前払い」になる可能性もある。

沖縄で冬季オリンピック誘致

日本オリンピック委員会(JOC)と沖縄県が、2038年開催の第28回冬季オリンピック・パラリンピックの誘致運動を展開することになった。1日にも正式発表する。誘致に成功すれば、史上最も南で開催される冬季五輪となる。JOCは「冬季五輪を通じて沖縄県でのウインタースポーツの普及を図りたい」と期待している。

沖縄県も「冬に雪が降らない南国だからこそ、四季を通じてウインタースポーツを満喫できるという逆転の発想だ。沖縄のスキー・スノーボードシーズンは、北海道よりも長くなる。スキー・スノボと海水浴を同時に楽しめる世界で唯一の夏冬対応型リゾートになるだろう。国内外からの観光客誘致につなげたい」と意欲を燃やす。

自然降雪がない沖縄県での開催を実現するため、全ての競技場は屋内になる。沖縄県は「1993年から2002年まで千葉県船橋市で営業していた『ららぽーとスキードームSSAWS(ザウス)』のノウハウを利用し、1年中利用できる競技場群の建設を目指す」との方針を明らかにした。ザウスはゲレンデ長が約480mだったが、沖縄冬季五輪スタジアムでは2500m以上の人工雪ゲレンデを建設する予定だ。

2002年まで営業していた人工スキー場のザウス。さらに大型の施設が沖縄冬季五輪向けに建設される(Wikipediaより)

JOCは「沖縄冬季五輪閉幕後は、世界でも珍しい通年利用型の冬季スポーツ競技場兼トレーニング場として活用する。日本のウインタースポーツ振興とレベルアップに役立つ」と、五輪レガシー(遺産)としての活用も視野に入れている。

人工ゲレンデを維持するためには膨大な電力が必要だが、沖縄県では政府からの補助金を得て太陽光、風力に加え、波力による発電など再生可能エネルギーで大半を賄う方針。「大量の電力を消費するが、環境にはやさしい五輪」をスローガンに誘致活動を展開するという。

政府も誘致運動を後押しする。もともと政府は地球温暖化を逆手に取り、札幌で夏季五輪を開催して「世界初となる同一都市での夏冬五輪開催」を目指したが、2022年に北京が夏冬五輪を達成したため目標を失っていた。政府は「世界最南端での冬季五輪開催」で、2021年の東京五輪で落ち込んだ五輪誘致ブームの再燃に期待している。

この記事は企業の有価証券報告書などの公開資料、また各種報道などに全く基づかず、編集部の空想でまとめています。

文:M&A Online編集部

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