株式投資の王道はファンダメンタルズ分析とテクニカル分析と言われる。ただし、相場は生き物。論理や理屈だけでは説明できない事象が多く発生するのも事実。根拠はないけどよく当たる。そういう意味では株式相場のアノマリー(anomaly)、つまり一種の法則のようなものを知っておいて損はない。
【1月~3月】
1月は年末にポジション(持ち高)を解消していた機関投資家が買い戻しに入るケースが多く、中旬あたりまでは株価が上昇しやすい傾向にある。その後、下旬に一旦様子見ムードが強まり、2月に入ったら3月決算銘柄の決算発表見込みが新聞紙上などを賑わせ、再度上値をトライしに行く傾向がみられる。
3月中旬からは機関投資家を中心に配当金狙いの買いが入りやすいものの、外国人投資家の動向が大きく左右する日本の国内株式相場においては、結果的に株価が下落しているケースが近年では多く見受けられる。
【4月~6月】
4月に国内の機関投資家は新年度に入る。さらに5月上旬までは決算発表も多く取引が活発化(ボラティリティの上昇)してくる。GWを挟んで出来高が徐々に低下していき、方向感の出づらい時期となる一方で、海外で何かネガティブな事象が発生すると株価が大きく下落するというケースが近年は多いように思える。どちらにしても、GW前には一旦ポジションをクローズ、つまりスクエア(持ち高がゼロ)にしておくことをお勧めする。
【7月~9月】
夏の初旬は「サマーラリー」などとも言われ、出来高や実需を伴って株価は上昇傾向にあるが、それを過ぎると閑散期に入り、株価は軟調になりやすい。外国人投資家が長期の夏休みを取ることも一つの要因と思われる。9月になると、国内の機関投資家は中間配当を狙わざるをえないこともしばしば(買いたい、買いたくないにかかわらず)。結果的には9月は世界的にみても最も株価の落ち込みやすい月と言われている。
【10月~12月】
9月の次にパフォーマンスの悪い月が10月。過去の米国発の暴落はほとんどが10月に集中している。それゆえに10月に買うと儲けが出やすいというのも1つのアノマリーといえる。NISAの年度の枠が空いている方はしっかり買っておくのも手(笑)。11月までは比較的しっかりした相場になることが多い。12月は特に最近、上昇の時期になっているケースも多く、昔言われていた「12月の株安説」はあまり参考にならないのかな、と筆者は思う。
今、巷ではこれが最も流行っているのではと思われる。実はタピオカがブームになるのは今回が3度目。過去2回(1992年~93年頃、2008年~09年頃)は景気後退や株価急落の局面とほぼ一致するため、今回もと世間ではささやかれている。
もっとも、エコノミストの人達は「タピオカブームと景気や経済の因果関係はない」と冷静に反論しそう。先日、私が会ったファンド関係者も「具体的根拠のないアノマリーであり、金曜日の夜にジブリ作品を放映すると、週明けの東京市場が大荒れになることが多いという『ジブリの呪い』などと同じ類いのものだ!」と声を荒げていた。なんたって「アノマリー」だから…?
〇大納会で取引量が多い銘柄は、大発会も強い値動きをする。
〇サンタクロースラリー(12月25日から7営業日)は株価が上がりやすい。
〇11月に投資して4月に売る(ハロウィン効果)。
〇日経平均株価が10連騰以上するとバブルになる。
〇1月に上昇した銘柄は年間パフォーマンスがよい。
アノマリー投資は過去の実績・経験に基づいて説明されるため、聞き側としては納得しやすい面がある。ただし、今日の投資(株価)は未来を先取りしているという事実を忘れてはいけない。結局はよくわからない…だから相場は楽しいのではないだろうか。
文:晴れの国トレーダー