そして、Webライター1年目から時間は3~4年ほど過ぎ去り、令和元年の現在です。
私は1円ライターを抜け、5円の時期も通り過ぎ、今はもうちょっぴり高い単価で受託させていただいております。
ただし、文字単価が10円になったら、1円ライターで月30万の売上が月300万円になるかというと、(計算上はそうなりますが)実際はそううまくはいきません。
なぜなら、高単価になると、依頼の絶対量が減ってくるからです。第 回でも述べたように、Webライターは非常に増えています。本業・副業あわせて1万人ぐらいはいてもおかしくありません。それだけ即金性が高く、しかも稼げるという噂が駆け巡っているようです。
よって、人が増え、報酬の下方圧力がかかるので、どうしても安い方向に仕事が流れていってしまうのです。でも、私はなんとか生き延びています。それはなぜか。
これまでいろいろなことがありました。でも、日々仕事に邁進していたら、割と報酬はスルスルとあがっていった感じです。そして、長時間労働だった私も、毎日お昼寝をして暮らしています。
何も、「午前中だけ働いてお昼寝し、月7桁稼ぐ。」といって、副業の裏情報を売ろうというのではありません。高単価少量に絞って、受注を続けているだけなのです。
本当は、もっと仕事を詰めて、高単価で1円ライター時代と同じぐらい働いて、売上をたくさん上げたいです。でも、そこまで受注量が多くないという事情があります。
よって、意外と暇なので、午前中だけ連載記事を書いたり、受託の書き仕事をしたりして、午後からは比較的のんびり暮らしています。それでも、売上はそこそこあり、何より「仕事がなくなるかも」という不安に襲われることもありません。
重要な点として、エッセイやコラムの仕事も増えたということです。ライターという仕事には、“あがり“がありません。ゴールがないのです。しかし、書くことが好きな人が集まっていますから、やはり自由に書きたい、私見を発表したいという思いはあるのではないでしょうか。
私も密かに、「自由に書いてみたいな」という願望を持っており、それが少しずつ叶っているので、とてもありがたいと思っています。型にはまった文章を書き続け、教科書通りのきれいな文章を納品し続けた先に、エッセイやコラムの仕事は待っていないのではと思うのです。
しかも私の場合は、1円ライターのころから、比較的自由に書いて良いといわれる案件に巡り合ったので、スタートダッシュのご縁は非常に良好なものでした。その後も、ニュースを書いてバランス感覚を養うなど、幸運なキャリアを積むことができました。
無自覚に仕事をしていた先に、エッセイやコラムの仕事が待っていたわけですが、「いつかは自由に書いてみたいな」という思いを捨てずに、ずっと仕事をし続けたことが、今の生活につながってきたのかなと思っています。
それでも、この先どうなるのだろうという思いはあります。
Webライターに未来はあるのかというと、まったく先のことはわかりません。今後は自営業・フリーランスがより増えてくると考えられます。なぜなら、日本の雇用環境の整備が遅れており、流動化されていないので、働くならフリーで、自営でと考え、プチ起業する人も増えると予想されるからです。
よって、自営業として仕事を効率よく受発注したい人も増えるので、クラウドソーシングやSNSを経由した受発注が増えると見込んでいます。そして、時代は人手不足です。この人手不足は、団塊の世代が鬼籍に入る2030年頃まで続くと予想しています。
いま、いわゆるコンテンツマーケティング・バブルだということは、私も自覚しています。そのバブルの上に、高単価でゆとりある生活が成り立っていることも、わかっているつもりです。あと10年の間に、実力・実績ともに着実に積み重ねて、次の冬の時代を乗り切ろうと考えています。
ライターを副業でしてみたいと思うのであれば、いつでも門は開かれています。最初は仕事を受注するものが大変ですけど、だんだんと実績が実績を呼んで、楽になりますので、会社員の副業におすすめです。
以上、全6回で1年目から月7桁の売上になり、今は自由なコラムも多い「名もなきライター」のキャリアについて、お届けしました。できる限り、読者に学びがあるように書いてみました。ご愛読ありがとうございました。
文:名もなきライター