マンション一括受電サービスを提供するレジルは、米投資ファンドのベインキャピタルによるTOB(株式公開買い付け)を受け入れて株式を非公開化する。レジルは2024年4月に東証グロース市場に新規上場したが、株式市場の評価を得ながら成長するより、社外の人材や経営ノウハウを活用しながら企業価値向上に取り組むほうが有益と判断した。近隣業界への投資実績を持ち、M&Aの支援も受けられるベインキャピタルの実績を評価し、非公開化を選択した。
TOBを実施するのは、ベインキャピタルが投資助言する投資ファンドが設立したBCJ-100(東京都千代田区)。買付価格は1株につき2750円で、公表前営業日の終値2004円に対して37.23%のプレミアムを加えた。買付予定数は1134万4650株で、下限は453万4800株(所有割合22.20%)。買付代金は最大で約312億円。
買付期間は2025年8月15日~10月10日までの39営業日。決済の開始日は10月20日。公開買付代理人は大和証券。レジルはTOBに賛同を表明し、株主に応募を推奨している。TOB成立後に、レジルの東証グロース市場での上場は廃止される見通し。
レジル創業者の資産管理会社は所有する44.47%をTOBに応募せず、TOB成立後にレジルが実施する自己株式取得に応じて売却する。TOB分と合わせた取引総額は約490億円。
レジルは1993年に創業し、2004年にマンション一括受電サービスを開始。災害で停電した際にも電力供給を行うマンション防災サービスや、再生可能エネルギーを中心とした電力小売りサービスなどを展開している。