南青山不動産(東京都渋谷区)は20日、中堅印刷会社の廣済堂(東証1部上場)に対してTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。廣済堂は米投資ファンドのベインキャピタルの支援を得て、TOBを通じたMBO(経営陣が参加する買収)を実施中で、3月25日にTOB期限を迎える。廣済堂株式をめぐっては、TOB公表後に旧村上ファンドの関係企業であるレノ(東京都渋谷区)の大量保有が判明しているが、南青山不動産はそのレノ陣営に属する。

MBOで株式の非公開化(上場廃止)を目指している廣済堂は南青山不動産によるTOBについて、後日、賛成か反対かなどの意見を表明するとしている。

南青山不動産による廣済堂株式の買付価格は1株750円。買付予定数の下限は910万900株(買付金額約68億円)で、TOB成立後の廣済堂株式に対する所有割合は50%となる。買付期間は3月22日~4月18日。

廣済堂経営陣の要請に基づきベインキャピタルの傘下企業が廣済堂へのTOBを1月18日に始めた。買付価格は1株610円。しかし、市場価格がTOB価格を上回る高値で推移しているのを受け、TOB期間を2度延長し、買付価格も当初の610円から700円に引き上げる一方、買付予定数の下限を所有割合で66.67%から50%へとハードルを引き下げた経緯がある。

南青山不動産を含むレノ陣営は現在、廣済堂株式の13.47%を保有し、事実上の筆頭株主。レノ陣営が提示した買付価格750円は市場価格(20日の廣済堂株価の終値は737円)を上回っている。

廣済堂側がTOBを成立させるためには最低でもレノ陣営の買付価格か、それ以上に引き上げることが不可欠。廣済堂としては25日まで2営業日となった現行のTOB期間中に買付価格の再引き上げの有無について決断を迫られることになる。