ロードサイド中心の「山岡家ラーメン」コロナ越えの可能性も

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写真はイメージです

ラーメンチェーン店の丸千代山岡家<3399>の、2022年1月期第2四半期の営業損益が黒字転換した。当初500万円の赤字見込みだったが、原材料費や人件費、店舗運営コストなどの抑制により黒字化を達成した。

さらに新型コロナウイルス感染症拡大に伴う店舗休業や時間短縮営業への助成金1億8300万円を特別利益に計上したため当期利益も大幅な増益となった。

同社は、通期の業績見通しを変更していないが、下期(第3、第4四半期)の業績が当初の予想通りに推移すれば、2022年1月期の業績は上振れする可能性が高そうだ。

上方修正し黒字に転換

丸千代山岡家は2021年9月13日に、2022年1月期第2四半期の業績予想を上方修正するとともに、同期の決算を発表した。

それによると売上高は前年同期8.4%増の72億400万円で、営業利益は8600万円(前年同期は1400万円の赤字)、経常利益は1億100万円(同400万円の赤字)、当期利益は1億9800万円(同2800万円の赤字)となった。

当初予想と比べると売上高はほぼ予想通りで、1.0%(7300万円)の減収だったが、営業利益、経常利益はいずれも9100万円、当期利益は1億9600万円上振れした。

通期では売上高は154億7900万円(前年度比8.5%増)、営業利益3億6200万円(同12.4%増)、経常利益4億円(同6.9%増)、当期利益2億900万円(同47.6%増)を見込む。

コロナ前の2020年1月期と比べると売上高は9%ほど上回るものの、利益は60~70%に留まる。下期にどこまでコロナ前に近づくことができるだろうか。

【丸千代山岡家の業績推移】単位:億円、2022年1月期は予想

2020年1月期 2021年1月期 2022年1月期
売上高 141.06 142.65 154.79
営業利益 6.11 3.22 3.62
経常利益 6.62 3.74 4
当期利益 2.77 1.41 2.09

弁当店からスタート

丸千代山岡家は山岡正会長が1980年に、東京都内で丸千代商事を起こし、弁当のFC(フランチャイズ)店を開業したのが始まりで、1年後には直営店舗の経営に乗り出した。

1988年に山岡家ラーメンの原型となる豚骨スープのラーメン店を開業。1992年にはラーメンの本場で激戦区の札幌に出店し、翌1993年には北海道での積極的な店舗展開を目的に山岡家を設立し、丸千代商事は関東圏の店舗展開、運営を分担する体制を整えた。

2002年に山岡家が丸千代商事を吸収合併し、丸千代山岡家に社名を変更。2006年にジャスダックに上場し、その後店舗数を増やし2017年には150店舗を突破した。

現在はロードサイド店を中心に出店し、広い駐車場を備え、年中無休24時間営業を基本スタイルとしており、2021年7月末時点で北海道、東北、関東、関西、中部などに167店舗を展開している。

東京発祥だが本社は札幌市に置いており、セントラルキッチンを持たず、店舗で3日間煮込んだ豚骨スープを使用して、しょうゆ、みそ、塩などのラーメンを提供している。

丸千代山岡家の沿革
1980 山岡正氏が東京都内で丸千代商事を起こし、弁当のランチャーズ店を開業
1981 直営店舗を開業
1988 豚骨スープのラーメン店を開業
1992 札幌に出店
1993 北海道での店舗展開を目的に山岡家を設立し、丸千代商事は関東圏全域の店舗展開、運営を分担
2002 山岡家が丸千代商事を吸収合併し、丸千代山岡家に社名を変更
2006 ジャスダック上場
2009 100店舗出店を達成
2017 150店舗出店を達成

文:M&A Online編集部