「ブラックフライデー」は、なぜ「ブラック」なのか?

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(写真はイメージ)

皆さん、今夜はショッピングに出かけますか? 今日は「ブラックフライデー」。一言でいえば「さあ皆さん、お買い物に出かけましょう」の日だ。しかし「ブラック」と言えば、「ブラック企業」や、株価暴落の「ブラックチューズデー」など悪いイメージが付き物。なぜ「ブラック」な金曜日なのか?

「黒い」の語源は「黒字」だった!

「ブラックフライデー」の「ブラック」は黒字の意味。つまり「小売店が千客万来で黒字になる金曜日」という理解が正しい。英語では「balance in the black」という。「へー、英語でも『黒』字なんだ!」と驚くかもしれないが、そもそも黒字に「黒」を使ったのは西洋の方がはるかに早い。

西洋の簿記で通常は黒インク、支出が収入を超過した場合は赤インクで数字を記入していた。これが「黒字」「赤字」の由来だ。西洋から複式簿記が輸入され、日本でも「黒字」や「赤字」が使われるようになった。確認される限りでは1931年(昭和6年)の「赤字」の使用例が初めてというから、意外と新しい。

しかし、なぜ「ブラックサタデー」や「ブラックサンデー」のような土・日ではなく、平日の金曜日なのか?実は米国では祝日の「感謝祭(Thanksgiving Day)」は毎年11月の第4木曜日と決まっており、その翌日の金曜日も祝日。すなわち「ブラックフライデー」は、土日を含めると4連休の2日目に当たる。

では、連休初日に買い物客を呼び込んだ方がよいのでは?と思われるかもしれないが、米国で「感謝祭」は親族や友人が集う大食事会であり、大切なプライベート行事。日本では「盆」と「正月」が同時に来たようなものであり、ご接待や訪問で買い物に行く時間的な余裕はない。

そこで「感謝祭」の食事会も終わり、残る3連休の初日となる11月の第4金曜日にセールの初日をぶつけて来たのが「ブラックフライデー」なのだ。米国では本格的なクリスマス商戦の幕開けとなる。

日本でも「ブラックフライデー」という言葉は使われ始めたが、定着は今ひとつ。理由としては日本では平日であること、それにすでに定着している「年末バーゲン」や「クリスマスセール」と時期が重なるためだ。おりしも今日の日経平均株価は前日比747円66銭安の2万8751円62銭と大幅安。頼みの富裕層のサイフの紐(ひも)も緩みそうにない。

文:M&A Online編集部