4月20日発表の「iPad Pro」、注目すべきポイントは…

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「遅れていた旗艦モデル」が、ようやく登場する。2021年4月20日(米国時間)に、米アップルが新型「iPad」シリーズを発表するのだ。今回モデルチェンジの可能性が最も高いのは最上級機「iPad Pro」だ。この新モデルに、どのような「進化」が予想されるのだろうか?

最大の注目点は「Mac互換性」

現行「iPad Pro」はCPUが2世代前の「A12Z Bionicチップ」で、「A14 Bionicチップ」を搭載する中位機の「iPad Air」に劣るという「異例の事態」が続いていた。今回のモデルチェンジでCPUが「A14X Bionicチップ」にアップグレードするのは間違いない。

ただ、これは定例のアップグレード。意外性はない。注目すべきは今回のアップグレードで、「iPad Pro」でパソコン向けの「Mac OS」が動くかどうかだ。最新の「Mac OS」である「Big Sur」は、「A14 Bionicチップ」と互換性がある自社開発のARMアーキテクチャー「Apple M1チップ」で動く。

事実、「Apple M1チップ」を搭載した「Macシリーズ」では「iPhone」や「iPad」用のアプリを利用できる。アップルは「Mac OS」と「iPhone」シリーズ向けの「iOS」、「iPad」シリーズ向けの「iPad OS」の統合を目指している。

「iPad OS」は「iOS」から派生したOSで、もとより互換性がある。最新CPUを搭載する「iPad Pro」で「Big Sur」が動けば、アップル製品でOSの「壁」はなくなる。オフィスや自宅では「Macシリーズ」で作業し、外出先では軽くて持ち運びがしやすく通信機能を持つ「iPadシリーズ」で続きをやるという使い分けも可能だ。

ハード面ではバックライトの分割を細かくすることで、表示画像に合わせてきめ細かい明るさ調整やコントラストの向上を実現する「ミニLED」ディスプレーを採用する。消費電力の抑制やパネルの薄型化が期待できるという。

今回は大型の12.9インチモデルのみに搭載される可能性が高く、11インチモデルは従来の有機ELディスプレーのままとなりそうだ。両モデルを比べることで、「ミニLED」がどこまで優れているか分かりそうだ。

「ミニLED」は新技術だけに歩留まりが低いという問題があり、量産が遅れて例年の3月発表が1カ月ずれ込んだといわれている。そのため「iPad Pro」の初期生産台数は少なく、品不足の懸念もある。新型「iPad Pro」をすぐに入手したいのならば、できるだけ早くオーダーした方が良さそうだ。

文:M&A Online編集部