2022年国内VC投資、12%増の2550億円と最高更新|ただ下期は減速

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IT関連のベンチャー企業が集積する東京・渋谷…写真はイメージです

ベンチャーエンタープライズセンター(VEC、東京都千代田区)がまとめた2022年(1~12月)のベンチャーキャピタル(VC)による国内向け投資額は2550億円と前年を12%%上回り、2013年に現行方式で調査を開始して以来2年連続で最高を更新した。「コロナ禍」1年目の2020年は約30%の大幅な落ち込みとなったが、アフターコロナによる経済正常化の到来を見据え、ベンチャー投資が一段と活発化した。投資件数も過去最高で、20.1%増の1676件だった。

VECは四半期ごとに国内VC(事業会社によるコーポレートベンチャーキャピタルを含む)による投資動向調査を集計している。今回の第4四半期(2022年10~12月)調査には111社が回答した。

年間金額、過去最高も下期は低調

10~12月の国内向け投資額は前年同期比16.7%減の529億7000万円で、2四半期連続で減少した。年間(暦年)では2年連続で2000億円台に乗せ、過去最高を記録したものの、下期は勢いを欠く形となった。

これに対し、10~12月の投資件数は同9.8%増の404件で、7四半期連続で増加した。年間でも1676件と、コロナ前の2019年1432件を上回る過去最高となった。

10~12月期の国内投資額を業種別にみると、「コンピューター及び関連機器、ITサービス」が35.8%でトップ。これに、「メディア、娯楽、小売、消費財」15.5%、「ソフトウエア」15.0%、「金融・不動産、法人向けサービス」10.2%、「工業、エネルギー、その他産業」9.9%が続いた。

また、対象企業のステージ別の投資動向(金額)では、設立後経営が軌道に乗り始める段階にあたる「アーリー」が38.4%を占め、以下、起業前や起業直後の「シード」29.1%、事業の拡張期にあたる「エクスパンション」23.3%、株式上場などを狙う「レイター」9.2%だった。

10~12月に新規設立されたファンドは8本、258億4000万円。年間合計の新規設立ファンドは前年より16件少ない38本、477億円減の2842億円だった。

文:M&A Online編集部