これもラーメン?ソフトバンクが参入「フレンチ」「ビーガン」など異色の顔ぶれも

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UNCHIが寺田シェフとともに開発したイノベーションラーメン(UNCHIのニュースリリースより)

異色のラーメンが相次いで登場している。ラーメン店「人類みな麺類」などを展開するUNCHI(大阪市)は、フレンチの技法やアイデアを取り入れたラーメン「innovation RAMEN(イノベーションラーメン)」を発売した。

代替たんぱく食品を手がけるグリーンカルチャー(東京都葛飾区)は、植物由来のたんぱく質を主原料とした「Green チャーシュー」を開発。ビーガン(完全菜食主義者)向けラーメン用として販売を始めた。

また、ソフトバンクロボティクス(東京都港区)は、有名店監修のラーメンを提供する自動調理ロボット「CHEFFY(シェフィー)」の販売を始めた。

ラーメンは国民食と言われ多くの日本人が好んで食べているほか、外国人が食べたい日本食でも上位に入っている。異色のラーメンは、これからもまだまだ誕生しそうだ。

泡状の出汁とピンクペッパーをトッピング

UNCHIのイノベーションラーメンはデンマークのコペンハーゲンにあるレストラン「noma(ノーマ)」で修行を積んだ寺田義晶シェフと連携して開発したもので、高級フレンチ店の上品な味わいと、人類みな麺類で使用している全粒粉入りの自家製麺などが楽しめる。

スープは昆布を1日漬け込んだ牛乳に、イカ墨と竹墨を混ぜ合わせており、チャーシューとネギ、メンマを千切りにした具の上に、昆布と牛乳で作る泡状の出汁とピンクペッパーをトッピングした。

2023年9月15日までの限定メニューだが、9月16、17日に京都市で開催される「京都サウナ大作戦」の会場でも味わうことができる。

UNCHI は2012年に大阪市内でラーメン店「人類みな麺類」開業し、「くそオヤジ最後のひとふり」「世界一暇なラーメン屋」など新しいラーメンブランドを展開。2018年からは米国や中国、韓国、ネパールなどの海外にも出店している。

動物性チャーシューに劣らない味

グリーンカルチャーの「Green チャーシュー」は、欧米で広がりを見せているビーガン対応のラーメンが、チャーシューの代わりに野菜や麩を用いるケースが多く、動物性チャーシューを使ったラーメンに完成度で劣っていることから、開発に取り組んだ。

需要先として海外ラーメン店やインバウンド(訪日客)対応のラーメン店、居酒屋などを見込んでおり、ラーメンのトッピングのほか、丼物やチャーハンの具としても使用できるという。

また、植物由来のため動脈硬化の原因となるコレステロールが含まれておらず、コレステロールを心配することなくたんぱく質(チャーシュー100グラム中11.2グラム)を摂ることができる。一般的なチャーシューに含まれるコレステロールは100グラム当たり46ミリグラムとされている。

グリーンカルチャーは、2011年に通販専門店として創業したあと、2021年4月に植物肉「Green Meat」を開発した。

有名店のラーメンを90秒で調理

ソフトバンクロボティクスの「CHEFFY」は、ラーメン取り寄せサイト「宅麺.com」を運営するグルメイノベーション(東京都渋谷区)の協力を得て、「中華蕎麦とみ田」や「飯田商店」など有名ラーメン店11店が参画して開発した。

熱々のラーメンを最速90秒で自動調理できるのが特徴で、全国の宿泊施設、商業施設、飲食店、オフィスなど向けに売り込む。

ぐるなび(東京都千代田区)が運営する「GURUNAVI FOODHALL WYE(ぐるなびフードホールワイ)天空橋」で運用が始まったほか、2023年9月13、14日に東京ビックサイト(東京都江東区)で開催される「ラーメン産業展」でも試食することができる。

ソフトバンクロボティクスは、2014年に人型ロボット「Pepper」を開発し、清掃ロボット「Whiz」、配膳・運搬ロボット「Servi」、床洗浄ロボット「Sucrubber 50」などを投入している。

ラーメンはコロナ禍を乗り越え、多くの店舗で売り上げが増加。海外でもこの傾向は顕著で、業績回復の牽引役となっている。こうした状況を背景に新たな需要取り込みの手段としてさまざまな試みが登場する余地は大きく、今後ますます話題性の高い商品が生まれてきそうだ。

文:M&A Online