中小にも広がる「ウクライナ支援」の輪 食品、扇、車などを活用

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ロシアの軍事侵攻によるロシア軍とウクライナ軍の戦闘が続く中、日本政府をはじめ大企業や著名経営者による支援に加え、中小企業にも事業を通じた支援が目立つようになってきた。

フードロス削減に取り組むクラダシ(東京都品川区)や、紙リサイクル製品の開発や販売を手がけるカミーノ(東京都港区)、車に応援ステッカーを張って走行することで、スポンサー収入や特典が得られるサービスを手がけるチアドライブ(東京都中央区)などがそれで、いずれも支援キャンペーンを通じて得られた資金をウクライナに寄付する計画だ。

在日ウクライナ大使館には、これまでに約15万人から人道支援寄付が40億円ほど寄せられており、今後、個人による寄付とともに、中小企業の間にも支援の動きが広がりそうだ。

商品の購入で寄付が実現

クラダシは、賞味期限が迫ったものや、パッケージの汚れやキズなどが理由で、通常の流通ルートでの販売が難しい食品を買い取り、ショッピングサイト「KURADASHI」で販売することでフードロスの削減に取り組んでいる。

売上高の一部は、海外支援や医療支援、動物保護などの活動を行う団体に寄付しており、今回3月31日まで支援先に在日ウクライナ大使館を加えることにした。

利用者は商品を選び、支援先団体に在日ウクライナ大使館を選択し、商品を購入することで、ウクライナに寄付ができる。2021年12月末時点で累計のフードロス削減量は1万8632トンで、寄付総額は7492万円に達している。

同社ニュースリリースより

カミーノは、広島や長崎、沖縄に贈られた折り鶴からリサイクルされる再生紙製品を企画、販売しており今回、ウクライナ国旗のカラーをモチーフにした扇を500点製作し、売上高の全額を国連UNHCR協会(ウクライナ緊急支援)に寄付することにした。

広島に届けられる折り鶴は、年間1000万羽(10トン)に達しており、カミーノはこの紙を使った扇を、ロシアへの抗議とともに、ウクライナに平和が訪れることを祈って、3月31日まで販売する。

ステッカーで寄付と抗議の意を表現

チアドライブは、ウクライナ支援キャンペーンを3月14日から4月30日まで実施する。

参加者は5000円から5万円までのキャンペーン参加費(国連UNHCR協会を通じてウクライナに全額寄付)を支払い、チアドライブが作成したウクライナ国旗をモチーフにした応援ステッカーを車のリアウィンドウに張り、車を運転することで、ウクライナへの寄付と戦争への抗議の意思を表すことができる。

ステッカーの制作費や送料はチアドライブが負担し、参加台数に制限は設けないという。


文:M&A Online編集部