2014年第1四半期TOBプレミアム分析レポート

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1. 総評

TOB件数は公表ベースで8件と前年同期(27件)比で大幅に減少した(表1)。
◆大型案件としては、日本電気によるNECフィールディングに対する公開買付が実施されている。NECグループは、過去にも、2004年のNECソフト、NECシステムテクノロジー(現NECソリューションイノベータ)の完全子会社化、2009年のNECトーキンの完全子会社化、昨年のNECモバイリングの丸紅グループへの売却等上場子会社の上場廃止を行ってきている(表2)。
◆ポジティブプレミアムの平均値は50.5%となっており、昨年から上昇したように見えるが、テクタイトのシーエスロジネットに対するTOBの影響が大きく、実質的には大きな変化は生じていない。
分布で見ても大きな変化はないものの、株価が上昇した水準を保っていることから、50%を超えるプレミアムのTOBの割合は引き続き低い割合となっている(表3) (表4)。
(注)プレミアム算定に採用している株価は特に断りがない限り、公表日前3カ月平均株価としている。

2. TOB件数の推移

TOB件数は公表ベースで8件と前年同期(27件)比で大幅に減少。

3. 2014年第1四半期の主なTOB

2014年4月23日現在

公表日 対象会社 買手企業 状況 買付価格 株価 プレミアム 買付総額
(百万円)
2014.1.28 トーメンエレクトロニクス 豊田通商 進行中 1.650 1,193 41.15% 15,968
2014.1.30 NECフィールディング 日本電気 成立 1,580 1,142 36.32% 25,931
2014.1.30 昭和飛行機工業 三井造船 成立 1,650 1,121 44.86% 16,500

※未定または進行中の案件は買付予定数に公開買付価格を乗じて買付総額を算出している。

4. 買収プレミアム(TOB)の推移

5. 買収プレミアム(TOB)の水準


※総プレミアム平均の推移55.6%(2009)→ 41.7%(2010)→ 51.2%(2011)→ 45.0%(2012)→ 31.3%(2013) →42.6%(2014・1Q)
※ポジティブプレミアム平均の推移63.8%(2009)→ 47.4%(2010)→ 54.9%(2011)→ 51.2%(2012)→48.4%(2013) → 50.5%(2014・1Q)

【ご利用上の注意】
※自社株TOBは集計対象に含んでおりません。
※プレミアム算定に採用している株価は特に断りがない限り、公表日前3ヶ月平均株価(終値)としております。
※本レポートに掲載されております情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。M&A Online編集部(運営会社:株式会社ストライク)は当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

データ提供:株式会社ストライク/編集:M&A Online編集部