2012年第1四半期TOBプレミアム分析レポート

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1.総評

TOB件数は公表ベースで18件と前年同期(14件)比で増加した(表1)。
◆大型案件としてはユニーによるサークルKサンクスの完全子会社化(712億円)、フジメディアホールディングスによるサンケイビルの完全子会社化(313億円)があった。成立金額ベースでは1712億円(進行中の案件は買い付け予定数で計算して集計)となっている(表2)。
MBO案件はベンチャーリパブリックのみとなっており、前年同期が7件というMBOラッシュだった状況から情勢が変化している。
◆ポジティブプレミアムの平均値は56.8%で傾向に大きな変化は見られない(表3)。分布で見ても大きな変化はない(表4)。
◆全体的に落ち着いた四半期であったといえる。
(注)プレミアム算定に採用している株価は特に断りがない限り、公表日前3カ月平均株価としている。

2. TOB件数の推移

TOB件数は公表ベースで18件と前年同期(14件)比で28.6%増。

3. 2012年第1四半期の主なTOB◆表2

2012年4月9日現在

公表日 対象会社 買手企業 状況 買付価格 株価 プレミアム 買付総額
(百万円)
2012.1.19 メッセージ ジャパンケアサービ
スグループ
成立 345 230 50.0% 2,684
2012.1.19 フジ・メディア・ホールディングス サンケイビル 成立 740 310 138.7% 31,318
2012.1.30 エヌ・ティ・ティ・ドコモ らでぃっしゅぼーや 成立 990 725 36.6% 4,924
2012.2.16 ユニー サークルKサンクス 成立 1,780 1,273 39.8% 71,209

4. 買収プレミアム(TOB)の推移


5. 買収プレミアム(TOB)の水準

※総プレミアム平均の推移48.0%(2008)→55.6%(2009)→41.7%(2010)→51.2%(2011) →53.2%(2012・1Q)
※ポジティブプレミアム平均の推移54.6%(2008)→63.8%(2009)→47.4%(2010)→54.9%(2011)→56.8%(2012・1Q)

【ご利用上の注意】
※自社株TOBは集計対象に含んでおりません。
※プレミアム算定に採用している株価は特に断りがない限り、公表日前3ヶ月平均株価(終値)としております。
※本レポートに掲載されております情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。M&A Online編集部(運営会社:株式会社ストライク)は当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

データ提供:株式会社ストライク/編集:M&A Online編集部